POPは「静かな営業マン」
中古車の販売店を見ていると、価格の設定がよくわからない時があります。
見た目は同じように見え、同じようなクラスのクルマ。
それなのに、価格に差がある。
登録年代とか、走行距離などによってちがうのでしょうが、それを買う妥当な理由があるのかどうかがわからない。
先日も輸入車のディーラーに行ったときに、思った。
「これにPOPがついていたら、いいのにな」
POPは、商品の価値や、買う理由を、お客さまに教えてあげる道具です。
「購買時点広告」です。
「ポイント・オブ・パーチャス」の略。
Point of Purchase
その商品を買う理由を書いて、お客さまに購買意識を喚起する道具です。
よく書店に行くと、名刺大の紙に「店長のおすすめ!今年読んだミステリーの中で、一番ドキドキしました」とか手書きで書いてある広告。
プライスカードしかついていない商品がありますが、商品の名前と値段しか書いていないと、とってももったいない。
プライスカードは、商品の名前と値段を教える道具。
POPはその商品の「買う理由」を教える道具。
POPをつけると、つけないでは、小売店の売り上げが大きく変わることがあります。
POPはまさに「静かな営業マン」なわけです。
買う「理由」を教えてあげることが大事
中古車販売の店の中古車にPOPがついている店を見たことがあります。
通常中古車販売の店に行ったら、たくさんの中古車が並んでいます。
そして、ほとんどの場合、車に値段しか書いていません。
その車を買うと、どういういいことがあるのか、どうしてこの車を買わなければいけないのか、それがわかりません。
群馬県の館林市にある「原宿自動車」は、販売している中古車にPOPがついています。
それぞれの車の担当者が、その車をおすすめする理由が書いてあるのです。
たとえばBMWのオープンカーには
●大塚のひとこと
「とにかくカッコイイ! セレブな気持ちになれます! BMWならではの加速。このプライスは安いです」
日産のキューブという車には
●渋沢のひとこと
「ソファーのようなシート。まるで部屋にいるみたい。ゆったりくつろげるマイルームの居住空間です」
その車の魅力を、それぞれの担当者がPOPに書いているのです。
さらに、装備の説明もちょっと面白い。
たとえばCDプレイヤーがついている、と書くのではなく、
「ドライブに音楽はかかせません!ROCK?JAZZ?R&B?好きな音楽を聞いて」
と書いてあります。
またアルミホイールがついていることを伝えるために、
「とにかく見た目がイイ!車の価値がグッと上がります!」
などと書いてあります。
ここの社長さんに聞きました。
「POPを付ける前より。売上的には若干よくなった程度ですが、商談の時間が短くなりました。なによりも、お客さまとの関係性がとってもよくなった感じです。お客さまとの距離がぐっと近くなったみたいですね」
中古車販売店といえども、POPがあるのとないのでは、価値の伝わり方がちがうのです。
あなたの商品を買う理由を、お客さまに教えてあげていますか?
藤村 正宏
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