既存客を死ぬほど大切にしない方がいい
5年ちょっと前に出版された本「安売りするな!価値を売れ!」(実業之日本社)の改訂版の、加筆原稿を書いていました。
原稿を書いていて思った。
本当に5年くらいで世の中が変わったんだ。
そういうこと。
まるで違う世界になったように、世の中が書き替えられてしまった。
ボク自身もマーケティングコンサルタントとして、5年前くらいとは考え方が変わっています。
例えば以前、「新規客より既存客を死ぬほど大切にしよう」と言っていました。
でも、今の時代は一概にそうとは言えません。
もちろん、おなじみさんや既存客を大切にすることは、今でも大切なことです。でも、SNS時代には死ぬほど大切にしなくてもいいということ。
それは逆効果になる場合もある。
濃い関係性は、モンスターカスタマーを生むことになりかねない。
会員制や囲い込みなどは、もう時代遅れになっています。
弊害を生んでいる。
「販促」という概念がなくなる
もう一つ、ボクは販促をしない会社は売上げが上がらないと言っていました。
だから販促は投資と捉え、実施することを積極的に勧めていました。
でも、今の時代、販促という概念はなくなっていく方がいいと思っています。
SNSでたくさんの人と関係性を構築している会社は販促をしなくても売れています。
みんなが集団自殺をしているようなアパレル業界で、一切セールをせずにSNSだけで服がたくさん売れている会社があります。
2000万円以上する新築の家が、インスタグラムのつながりだけで、何棟も売れている工務店があります。
まったく販促費はかけていません。
SNSのつながりで共感してもらい、ファンになってもらってから、お客さまになっているのです。
販促がなくなることが企業にとっては理想です。
だって販促費というのは利益から出ているものですから。
販促をしなくても売れるのなら、しない方がいいですよね。
それができる時代になったのです。
変わるものと変わらないものがある
変わっていないのは「関係性」です。
この関係性の考え方、特に「ゆるやかな関係性」という考え方は変わっていません。
人は見ず知らずの人よりも、つながっている人の方を信頼するし、そこに依頼する方が楽なのです。
これは基本です。
髪を切るのは知人の美容師。
ウェブサイトを作るのは知り合いのデザイナー。
税金の相談をするのも、いつも行くジャズのライブハウスで知り合った、常連客の税理士さん。
リフォームを依頼するのは、趣味のサーフィンのコミュニティでつながった社長が経営する建築会社。
人は関係性の深いところで消費するのです。
でも以前は、関係性を作り出し、維持していくものは紙媒体が主でした。ニュースレターや個人を出したダイレクトメールなどです。
でも、今の時代、紙媒体はコストが合わなくなっています。
印刷代や郵送代が膨大にかかるわけですから。
結果的に、紙媒体に代わり、SNS上のオンラインコミュニティに、関係性の主役が移っている。
そして、このSNSでのつながりが、日々増えているわけです。
フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどで交流していると、縁やつながりが増え続けます。
そうしたら、本当にすべての消費が、SNSでのコミュニティ内で行われる日も近い。
必要なものすべてがコミュニティで賄える時代になるのです。
改訂版の本の原稿を書いているあいだ中、世の中が激変したんだってことを感じていました。
僕たちもアップデートしましょうね。
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藤村 正宏
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