「売上」というものに振り回されるな!
先日、近所のスーパーでおもしろい売り場を見つけました。
全国のカレーを集め、それを本棚に並べている。
『カレーなる本棚』へようこそ!
北野エースというちょっと高級スーパーです。
おもしろい展開だなって思った。
「へ〜、こんなのあるんだ」とか「なつかしいな、これ」とか、見ているだけで、おもしろい。
そして、「こういう工夫をして、店の滞留時間をあげたり、おもしろい店だなって思ってもらう。これが、売上につながるんだよな」そう思った。
実際、この店でずいぶん買ったしね。
売上をあげるためには、やっぱりさまざまな工夫をすることが大事です。
でも「売上をあげろ」とか「売上が一番だ」とか「今期は売上高、昨対で110%だ」とか、よく言っていますが、そもそも売上の成立する要素を、しっかりと見つめたことがあるだろうか、と思うんです。
漠然とした概念だけ見ていると、大切なチャンスを見落とすんじゃないかな。
売上という言葉に振り回されて、重要な概念が欠如しているように思える会社もある。
売上を見誤らない。売上とは何か?
売上を上げるためには、売上ってどう生まれているのかを知る必要があります。
ちょっとそんなこと思ったわけです。
売上の成立過程って考えてみたことありますか。
あなたの会社の売上が1億とします。
それを2倍の2億円にしたいとします。
売上1億円で、お客さまの数は1000人。
購買頻度が10回、購入単価が10000円だと、掛けると1億円になります。
——————
お客さまの数 1000人
購買頻度 10回
購入単価 10000円
——————
売上を2億円にするにはどうしたらいいか。
まず、お客さまの数を倍の2000人にすれば2億円になります。
あるいは購買頻度を20回にする、
あるいは購入単価を20000円にすれば
2億円になります。
でも、それをバラバラに考えたらダメだということです。
バラバラに考えると大変なエネルギーが必要です。
2000人とか、20回とか、20000円とか、倍にするのは容易ではありません。。
だから、これを全部総合的に考えて、売上を考えるわけです。
どこの部分を改善しても、売上があがるということなんです。
特に購買頻度が、結構ないがしろになっていることがある。
リピーターのことです。
売上を2倍にするためには30%のエネルギーで十分
売上を2倍の2億円にするために、こう考えてみる。
全部を1.3倍ずつにしてみる。
——————
お客さまの数 1300人
購買頻度 13回
購入単価 13000円
——————
1300人、13回、13000円にすると、売上は……
2億1970万円になります。
倍にするために、倍のエネルギーが必要かというと、3割増しくらいのエネルギーでいいわけです。
全部を総合して考えること大事なんですね。
売上が下がったときに、新規ばかり見ていると、いろいろなものを見誤ってしまいます。
目標を2億円でなく1億5000万円にしたいなら、そんなに多くなくてもいいわけです。
売上というのは、こういうふうにいろいろなところで少しずつ上がっていくんだ、というふうに考えましょう。
特に購買頻度が大事です。
一度うちのお客さまになってくれた方が、死ぬまでうちのお客さまでいてくれるか。
あるいは、その方の子孫や関係者がずっとうちのお客さまでいてくれるか。
そういうことを考えていくことが、これからの時代はすごく大切です。
藤村 正宏
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