固定観念は怖い
固定観念というのは怖いものです。
他の人が説明や説得しても、あるいは状況が変わって、おかしさが明らかになっても、訂正することが難しいこと。
勝手に思い込んでしまう。
たとえば、お客さまは価格が高いものより価格が安いものを欲しがるとか、高い商品は売れないとか、
売る側がそんなふうに勝手に思い込んでいる場合があります。
実はそれは大きな機会損失している可能性がある。
ボクがよく言っていることがあります。
お客さまは別に安いものを望んでいるのではない。
それなにのどうした安いほうが売れるのか。
それは、高いのを買う理由がわからないから、安いのが売れる。
だから、高いほうを買う理由を、お客さまに教えてあげること。
そういうことです。
「おたる政寿司」のメニューブック
以前紹介したエクスマ塾生の中村圭助さんの「おたる政寿司」のメニューブックの事例です。
店内に置いてあるメニュー。
以前は3000円のセットメニューをラインナップしていました。
大トロ入り10貫握り
うに入り10貫握り
牡丹エビ入ります10貫握り
確かにその3000円の握りは売れるのですか、ひとつ問題がありました。
本当に売りたいのは5000円の寿司。
なぜなら北海道の旬のネタ、政寿司の得意なマグロ、エビ、ウニなどを全部入れることができるからです。
せっかく北海道の小樽に旅行に来ているのですから、本当に美味しい寿司を食べてもらいたい。
それだって、素晴らしい旅の思い出になる。
でも中村さん、固定観念で3000円くらいのセットしか売れないと思っていた。
それを証明するように1番売れる商品は3000円のセット。
5000円の握りのセットは1ヶ月で100食も出ない感じでした。
安売りするな!
お客さまは別に安いものを望んでいるのはない。
お客さまに高いほうをオーダーする理由を教えてあげよう。
そういうことをエクスマで学びました。
中村さん、メニューに言葉を付け加えました。
美味しい寿司を食べたい方
一つ一つ職人が一手間かけて提供しますので、しょう油は皿にいれないでくださいね‼
こんな感じで、たった一言付け加えただけです。
メニュー切り替え前、この5000円のセット。
1ヶ月で87食出ていました。
翌月メニュー切り替えで、597食も売れた。
実に686%アップです。
もちろん商品内容を一切変えていません。
写真も変えていません。
スペックは一緒のまま。
ひとこと付け加えただけです。
「伝える」のと「伝わる」のでは雲泥の差
伝え方で売上は変わるのです。
「伝える」のと「伝わる」のでは、まったく意味がちがいます。
たくさんの企業や人が伝えようと努力していますが、伝わっていないことが多い。
お客さまの視点に立つこと。
自分も消費者なのに、仕事になったら突然そのことを忘れて、伝わらないサインやPOPを作ってしまう。
本当に伝わるためには固定観念は捨て去ることが大事なのです。
藤村 正宏
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