独自性の視点を持つために、カウンターカルチャー的な立ち位置を意識してみよう

常識とは逆の考え方をしてみる

カウンターカルチャー(対抗文化)っていうのは、独自の視点をを持つためのいいコンセプトになると思う。

カウンターカルチャーっていうのはカンタンに言うと、世の中の主流と思われている考え方や価値観と反対の(対抗する)考え方や活動。
ざっくり言うとそんな感じです。
自分や自社の活動をカウンターカルチャーということを意識して、見てみましょう。
何か発見があるかも。

いつも世の中の常識と対抗していた

常にカウンターカルチャーを目指していたい。
大きな権威や世の中の常識と対抗していたい、って、そう思っていたし、今もその立ち位置は変わっていません。

ボクが「モノ」を売るな!「体験」を売れ! というマーケティングの手法をずっとこの10年以上提唱しているのも、ある意味カウンターカルチャー的な立ち位置からだった。
2001年に最初の本を書いた時なんかは、まさに「何言ってんだよ」っていう視線を浴びていました。
さらに2冊目の本で「ニーズを聞くな!」と言った時には、批判もたくさんされました。
まさに、主流との対抗だった。

あえて反主流の本を書いた

結果、反主流の本になった

でも、ここにきて、そういう考え方がずいぶん世の中に認められるようになった。
最近はソーシャルメディアの普及で「つながり」が重要と言われています。
ボクは、「関係性」が大事だということも、2003年に出版した本で言っています。
これからの時代は、商品の良し悪しやサービスの良し悪しではなくて、消費は関係性によってなされるんだということ。
商品の質やサービスの質がいいのは、成熟した消費社会では、当たり前のことだからです。
それは、ずっと発信してきました。

成熟した消費社会では、モノや商品やサービスからは関係性は生まれにくい。
コト(事)、体験からでなければ関係性は生まれません。
だから、モノではなくて体験を売ろう、ということ。

会社組織でも「個」の発信が重要ということも10年以上前から言っています。
これからは「組織」ではなく、「個人」の時代になる。
そういうこと。

それもここにきて、現実味を帯びてきました。
会社とは関係性はつくりにくい。
エクスマの有名な事例、ニコルのサイトウ君の法則。
あるいは・・・
「ボクはANAが好きで、応援しているけど、ANAとは仲良くなりたいと思わない。でも、ANAで働いているCAの大原さんとは仲良くなりたいと思う」
ってこと、ボクの講演やセミナーで聞いた人はたくさんいると思う。
関係性の時代だからこそ、個人のチカラはとっても重要だっていうこと。

視点を変えてみよう

カウンターカルチャー的な立ち位置にいると、視点が変わります。
視点が変わると、気がつかない大きなことに気づくことがある。
特に今の時代、固定された一方向の視点では、危険です。

視点を変えられないと、世の中から取り残され、お客さまから選ばれなくなってしまう。
というか、あなたのほかにも、あなたのライバルは毎日、あなたと同じくらいお客さんを獲得しようと努力しているわけです。
知らないうちにほかのところに取られてしまうかもしれない、ということです。

イノベーションしなければならないということです。

企業はあまりにも保守的で、決めたことや、やってきたことを変えようとしません。
明らかに時代に合わなくなったコトは変えなければ、大きなハンディを抱えることになります。
でもなかなかできない。
「今まではこれでうまくいった」という、時代遅れの成功体験を捨てられないのです。

イノベーションの最大の目的は、新しいコトをすることよりも、古い考えを捨て去るということです。
固定された視点では、それができない。
マーケティングの分野で言うと、過去の成功体験っていうのは、もう通用しなくなっていると思ったほうがいい。

ソーシャルメディアがこれだけ発達した時代です。
今まで成功していたコトを何の疑いもなく続けているのは危険です。
たとえば、ニュースレターっていうのは効果的な媒体です。
お客さまとの関係性を作り出すために、出さないよりも、出したほうがいいに決まっています。
でもね、月に一度しかこないニュースレターより、毎日発信しているブログのほうが関係性がつくりやすいし、忘れられるリスクも減ります。
もしあなたが月に一度のニュースレターしか出していなくて、あなたのライバルが、あなたのお客さまと毎日ブログやSNSで関係性を作り出し、さらに月に一度のニュースレターを発行したとしたら。
どうですか?
多くのお客さまがライバルに移行してしまう。
そういう可能性もあります。

だから視点を固定せずに、いつも別の角度から見てみることも大切だと思うんです。

明日への気づき|常識が通用しない世の中になる

人々の予想以上に早くやってきてしまった未来。
その激流にのみ込まれるか、それともその流れに乗るか。
それは、あなたの視点の持ち方です。

いずれにせよ、ボクはいつも「対抗文化」のポジションでいたい、そう思うんです。
カウンターカルチャーです。

モノを売るのではなく、体験を売るという視点になることがすごく大切です。
そういう「視点」に変えるだけです。
この商品を売るときにスペックを言うのではなくて、「この商品をあなたが手に入れたら、あなたにはこんないいことになりますよ」ということを言う。
売るほうがそういう視点になることです。
お客さんの立場に立って、このお客さんにとってこの商品はどういう意味があるのかな、そういうふうにまず考えてみる。
あなたが言いたいことを言うのではなくて、お客さんにとってどういう意味があるのかをまず考えること。
これがすごく大事です。
視点を変えるというのは、頭の中の問題でしょう?
売る人の頭の中の問題なので、誰でもカンタンに変えられるし、時間もかかりません。
すぐにでもできます。
もっといいのは、コストがゼロ、経費がかからない、ということです。
だから、モノではなく体験を売る視点になることがすごく大事。
やるとやらないとではその後の結果が大きく違ってきます。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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