まだ販促にお金を使って疲弊しているのですか?

販促は必要なくなった?

今日はエクスマ塾生限定のセミナー「エレメントE」を大阪の堺市のハワイアンカフェ『アロハス』でやっていました。
話していて、エクスマも変わったな〜って感じた。

エレメントE(順子さん撮影)

以前エクスマは、販促(販売促進)が中心でした。
チラシの作り方、キャッチコピー、ホームページのSEOなどなど、販促のアドバイスが中心でした。

今になって、それはほとんどなくなった。

限りなく無料の、それに代替されるものができているから。
実質的に販促予算がゼロでも、以前と同じ圧倒的な効果が出せる時代になったからです。

販促予算は大きな会社や資金力のある会社は潤沢にに使えます。
でも中小企業はなかなかそれは難しい。
たとえば、大和ハウス、積水ハウス、パナホームなどの大手と、地方の町の工務店では、販促に使えるお金は全然違いますよね。
新築見学会のチラシやネットやマスメディアの広告に、たくさんお金が使える。
そうすると当然、結果もかなり違ってきます。
販促で対抗しているうちは、それはしょうがないことです。
だから従来の販促をやっているうちは、その環境で疲弊するしかなくなる。
いつまでたってもそこから抜け出すことはできません。
それに、販促に予算を使うと、それに見合った成果を求められます。
泥沼になってしまうかもしれません。

今はブログやSNSやネット動画、などを使うことができます。
そのほとんどは、限りなく無料に近いツールです。
さらに大手の企業はSNSに積極的ではありません。
適当にお茶を濁している程度にしかやっていません。
だから、積極的にやっているところが成果をさらえるのです。

大手より影響力のある工務店

ボクの塾生で鹿児島で工務店をやっている有村社長。
インスタグラムなどのSNSから、新築の家を売っています。
今やフォロワーは、大手の住宅メーカーよりも多い。
ということは、有村社長はSNS上では大手住宅メーカーよりも「影響力」があるということ。

このことはボクの新刊

『「3つのF」が価値になる!』<アマゾンのリンク>

に書いたので、引用してみます。

鹿児島県の工務店「株式会社 住まいず」はエクスマ塾生が社長をやっている会社です。
有村康弘さんです。
この工務店は写真のSNS、Instagramでつながったお客さまに、2000万円以上の新築の家が売れる、そんな工務店です。

多くの人にとって、家は、一生に一度の高価な買い物です。だから失敗したくないし、騙されたくないし、後悔したくない。それは当然のことです。
だから、いきなり工務店や建築会社、不動産を調べたりしません。まず、どんな家にするか、自分の夢を叶える家を思い描く夢を見る時期があるのです。
そんな時、インターネットを使って調べます。

大きな窓のある広りリビングがいい、オープンキッチンでその周りがカウンターになているのがいい、お風呂には窓があって広いほうがいい、庭はバーベキューができるくらいの広さが欲しい、子供部屋は・・・次々と夢は膨らみます。
こんな家に住みたい、というたくさんの資料画像が増えていく。

そして、今は調べる先が、インターネットと言っても、SNSなのです。Instagramには素敵なインテリアがたくさん出ています。マイホームを計画している人にとっては宝の山のようです。
だいたい予算や住みたい家のイメージが決まった時に、工務店などを調べます。でも、いきなりその会社に問い合わせなんかしません。
気づかれないように、見ているのです。

住まいずは、たくさんの写真をInstagramに投稿しています。そしてもちろん、フォローしてくれた人ともコミュニケーションしている。
この会社の特徴は、木にこだわった家づくりです。とってもカッコよく、個性的な、木が主役のインテリアです。引き渡しする前に、お客さまの了承を得て、どういう所を工夫したか、そんな所にこだわったか、などなど、素敵な写真とともに投稿しています。

「窓から吹き抜けが覗く男の書斎。床を畳にすることで、寝転がりながら本を読める空間になりました」
「リビングの一角に和室を設置、仕切りの障子をオープンすると、リビングと一体で使えます」
投稿はこんな感じです。
マイホームを考えている人たちは、そういう投稿を見ているのです。そして気になったら続けて見てくれる。
当然、会社のことや、投稿している社長のことも調べています。
そして「人柄が良さそうな人だし、カッコよくて住みやすい家を作ってくれそうだし、しっかりと家づくりのコンセプトもあるし、候補にしょう」と選ばれていく。

「はじめまして、どの画像を見ても、素敵すぎてドキドキします。〜に住んでいます。マイホームが欲しくて数年、土地や価格で私たちに合うところを探しています。無垢材をふんだんに使用されているので、私たちには手が届かないかもしれませんが、フォローさせてください」
というコメントが入ったりする。
それに対して、社長自らが
「〜様、フォローありがとうございます。無垢材は使い方によって金額も大きく変わってきますよ。ご興味がありましたら、ぜひ見に来てください」
「ぜひぜひ、近いうちにお邪魔いたしますね」
「はーい、お気軽にどうぞ」
などという、実にカジュアルなコメントのやりとりがあって、その方が会社に来てくれる。
初めて会ったのに、初めてじゃない感じで、話しているうちに、意気投合して、初日に家の購入が決まったそうです。

そして面白いのが、住まいずはピンタレストをうまく使っているということ。
ピンタレストというSNSがあります。ボクも昔からやっている写真のSNSです。Instagramと違うのは、ピンタレストは、他人の画像をコレクションにするということ。
自分のページがあり、そこにテーマに別れたボートというものを作り、そのテーマの写真を集める。コレクションするということです。
例えばボクが美術館のホームページで、そこの美術館が所蔵しているアンディ・ウォーホル の作品の写真が気に入ったとします。ボクはその写真を自分のピンタレストの、「アート」というテーマのボードに、Pin(ピン)するのです。そうするとボクのボードにウォーホルの作品が飾られる。そんなイメージです。
そしてそのボードをいくつも作れるということ。
これは遊びでやっていると、とても楽しいSNSです。つながっている人たちのボードをフォローしたり、フォローしている人のボードからピンしたり、素敵な写真がどんどん広がっていきます。
そして一枚一枚の写真は最初に掲載されていたサイトに、ワンクリックで飛ぶことができるということ。

住まいずの有村さんは、ピンタレストに「住まいず」のページを作り、インテリアのボードを作っています。
「子ども部屋」「ガレージ」「外観」「キッチン」「書斎」「和室」「吹き抜け」「寝室」「リビング」「収納」「洗面・脱衣室」「ダイニング」「階段」・・・などなどのテーマに別れている。
それぞれのテーマに合った写真をボードにピンしています。
マイホームを計画している人たちにとっては、とても参考になる写真がたくさんあるのです。

そして、ここがすごいのですが、その写真はほぼすべてが「住まいず」のホームページの作品集からピンされたものなのです。
どうしてすごいかっていうと、例えば家を考えている人がピンタレストの書斎の写真を気に入ったとします。そしてこの写真はどこの写真だろう、と思い、その元の写真を見に行った時には、住まいずのホームページに到達するということです。
それがすごいことだというのは、伝わってますでしょうか。

「株式会社 住まいず」の有村社長は、Instagram、ピンタレスト、インテリア写真を投稿するSNS「Room Clip」なども使いながら、マイホームを計画している人たちとゆるやかな関係性を作っています。
現在は契約したお客さまの約20%が、Instagram等なんらかのSNS経由です。

以前は有村社長も、チラシやダイレクトメールで、完成見学会などのイベントに集客して、そこから営業をしていました。
もちろん今もそういう従来の営業もしていますが、SNSのつながりの営業のほうが、圧倒的にやりやすい。スタートの時点で、もう共感されているからです。ある意味、新規客ではないのです。

SNSは高額な「家」という商品まで影響しているのです。

<有村社長のインスタグラム>

古い業界や古くさい販促をやっている企業を尻目に、SNSやブログやあらゆるツールを駆使し、あなたのお客さまや友人知人が「ファン」になってくれるように、自らあなたの商品や店を告知してくれるようにしよう。

販促はやる必要がないのなら、しない方がいいと思うのです。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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