ニーズを聞いているから売れない
【ニーズを聞くな!体験を売れ!】
っていう本を書いたのは、2001年でした。
その時は、けっこう反発に合ったり、何言ってんの? って受け入れられなかった。
でも、今となって、これはもはや当たり前になっていますよね。
繁栄する会社、繁盛するお店になるために売上をあげるためには、お客さまのニーズを聞いてはいけません。
よくお客さまのニーズを聞きなさいと言われます。
でも、お客さまの「ニーズ」ってなんでしょう?
「こういう商品が欲しい」「これが欲しい」「これが必要」そういうことです。
必要な人に必要なものを届ける。これはまったく間違いではありません。
でもね、お客さまが自分で必要なもの、欲しいものがわかっている場合は、あなた以外の競合も多く価格競争になりやすいという特徴がある。
考えてみてください。
ニーズが明確な商品やサービスは、価格が安いほうがいいんです。
たとえばガソリン。
ガソリンは1円でも安いところで入れたくなりませんか?
きっとこれを読んでいるあなたもそうだと思います。
どうしてか?
ニーズが明確だからです。
なくなるとクルマが動かなくなる。同じレギュラーガソリンだったら、1円でも安いほうがいい。
ニーズが明確だからです。
ほかにはティッシュやトイレットペーパーなんかはこういう商品です。
お客さまが自分で気づいていない欲求に気づかせる
でも、お客さまが自分で気が付いていない「ニーズ」に気づかせてあげる。
こういう視点だったらどうでしょう?
たとえば、あなたが薬屋さんにインフルエンザ予防のためマスクとうがい薬を買いに行ったとします。
マスクとうがい薬はニーズがあるということです。
お会計をしようとレジに向かうと途中に大きく「今年こそは禁煙するぞ!」と書いてあって、禁煙パッチが売っていた。
ここであなたは思うわけです。
「そうか~、今年こそ禁煙しようかな」
そしてそれまでニーズなんてまったくなかった禁煙パッチを買ってしまう。
こういった消費っていうのは、価格競争や比較なんて関係なくなるんです。
普段はまったく考えていないのに、急に自分のニーズに気がつくわけです。
こういう体験ってしたことありませんか?
本屋さんで平積みしてある本を見て、思わず買ってしまった。
ブティックでマネキンが着ている服をみて、衝動買いしてしまった。
ほとんどの消費がこういう消費なんです。
現代の消費者は、自分の欲しいものに気づいていなのです。
だから今よりも売上を上げたかったら、お客さまのニーズを聞くのではなく、お客さまの中にある、
「気づいていないニーズ」に気づかせてあげることが大切なんです。
藤村 正宏
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