「Keisuke okunoya」の最新作、パックT
短パン社長の個人の名前がついたファッションブランド「Keisuke okunoya」が売れている。
発表はSNSだけ。
SNSで受注し、予約受けてから製作しているブランド。
ボタンダウンシャツやポロシャツ、短パンやTシャツ、マフラーやエプロン。
などなど。
Facebook 1回、Instagram1回、Twitter1回の発信で1000万円前後コンスタントに売れる。
在庫リスク最小限、販促費ゼロ、ネットショップもない。
その時だけ販売のブランド。
「Keisuke okunoya」の最新作、パックTが届きました。
Tシャツ、3枚。
素材やデザインのちがうTシャツが3枚パックになっています。
VネックTシャツ
ポケットTシャツ
ストレッチ素材のポケットTシャツ
その他にノベルティとして、ランチョンマット2枚「YES CURRY RICE」の文字。
処方箋で買う薬の袋のイメージの厚手の紙の封筒に3枚入っていて、
Tシャツの処方箋って感じ。
3枚の着かたが、さりげなく印刷してあります。
さすが、ヒロナガ(パッケージをデザインした人)、細かいところに凝っている。
1パック21,000円
僕は白とネイビー2パックだから42,000円
シンプルなデザインだけど、ちょっとしたディテールに凝っていておしゃれ。
素材もいいものを使っているから、とっても気に入っています。
ホワイトボードの落書きで売上920万円
このパックTの注文をとったときは、まるで落書きみたいな絵だった。
(下の画像は実際の画像)
それで460セットがSNSの投稿ひとつで売れるのです。
売上は投稿して2日間で920万円。
ここで締め切り。
注文をした人は約420名。
そのうち3人は、これがTシャツだとは思わなかったらしい。
一人はお茶だと思っていた。
「ずいぶん高いお茶ですね。でも買います」って・・・(笑)
ティーパックだと思っていたようです。
もう一人は(サユリーニっていう人)はあの絵を見て、徳利だと思ったそうです。
とうとう短パン社長は日本酒を売るようになったか?って(笑)
もうひとりもきっとTシャツだとは思わなかったんでしょうね。
これはもう物質としての「商品」を売っていないよね。
もっと乱暴に言えば、アパレルメーカーの社長だけど短パン社長が売るものは、アパレル商品でなくてもなんでも買いますってことです。
たとえそれが食品だとしても。
そういえば、フジテレビの「ダイバイヤー」という番組で商品企画した、彼の「短パンカレー」がものすごく売れました。
1個1000円のレトルトカレー(ちょっと高価です)。
一撃で約4000個売れた。
TVオンエア前に2000個完売。
オンエア後は品切れだったのですが、追加販売して2000個。
でも、これが今後予想される「つながりの経済」の本質的なところです。
どこで買うかよりも誰から買うか。
何を買うかよりも誰から買うか。
徐々に世の中の消費はそうなっていく。
そうじゃなきゃ売れなくなるだろうし、売れても利益が少なくなる。
「Keisuke okunoya」ファッション業界では革命だね
アパレルブランドで個人名がブランド名になっているのは、たくさんあります。
シャネル、イヴ・サンローラン、ヒューゴー・ボス、タケオキクチ・・・
「Keisuke okunoya」も個人名がついたブランドです。
でもこの「Keisuke okunoya」が革命的なところは、その個人名がデザイナーではないということ。
今までのファッションブランドは、基本的にデザイナーがいて、その人の名前がブランドになっていた。
シャネルもジル・サンダーもイッセイミヤケも。
そのデザイナー独自のデザインが価値だった。
それが好きな人や共感した人がお客さんだったわけです。
あくまでも商品ありき。
「Keisuke okunoya」ブランドのオクノヤさんはデザイナーではない。
服のデザインはしないアパレルメーカーの社長です。
ここがすごいところ。
この時点で、衣料品ではないということです。
というか実態のある「商品」ではないということ。
結果的に実態のある商品は売れているけれど、「Keisuke okunoya」を買っている人は、商品が欲しくて買っているわけではないということ。
ここのところが理解できないと、大切なことを見誤ります。
特にアパレル業界の人は、ここのところに気づかないと、つぶれるよ。
長い間、SNSで発信して、たくさんの人とつながり、その関係性を大切にしてきている。
その結果、オクノヤさんの発信することに共感したり、おもしろがったり、コミュニケーションしたり、そういう関係性を楽しんでいる。
そんなつながりの中でオクノヤさんのことが好きになっていくわけです。
だから、彼が勧める映画を見たり、彼がシェアしたブログを読んだり、彼の行きつけのバーやカフェ、カレー屋さんに行ったりするわけです。
そして、彼が作る「Keisuke okunoya」のTシャツを買ってしまうということです。
そう考えてみると、彼のビジネスは商品を売るという、今までのアパレル業とはちがうビジネスだということがわかりますよね。
物質としての商品を売っているのではない。
もしかすると広義での「情報」を売っていると考えてもいいかもしれません。
そうか、「Keisuke okunoya」は情報産業だったんだ〜
という、あくまでも私見的な結論を出して、今日のブログは終わります(笑)。
藤村 正宏
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