リピーター対策は忘却との戦い
リピーターをつくろうと思わなければ、リピートはしてもらえません。
顧客満足を高めれば、お客さまはまた来てくれるのか? リピートしてくれるのか?
実は、どんなに顧客満足を高めても、リピーターは増えないんです。
顧客満足とリピートとは、基本的に因果関係がないからです。
もちろん顧客満足は高めなければいけないんですよ。
高めなければいけないけれど、それだけでは充分ではないということ。
どうして2度目、3度目と来てくれなくなるのか?
そのほとんどの原因は、「あなたの店を忘れてしまう」ってことなんです。
どんなに顧客満足を高めても、お客さんは忘れてしまう。
忘れられた店や会社は、リピートしてくれるわけありません。
このことについては、さまざまなレストランで何回も実験しました。
すごく有名な東京の一流ホテルのレストランの例。
このレストランはすごく美味しいし、サービスもいいから、お客さまはとても満足して、「また来ますね」と言ってくれる。
そういうお客さんが100人いたとしたら、何もしないと50人以上は二度と来てくれなくなるんです。
なぜか?
それは、そのレストランのことを忘れちゃうからです。
人間の短期記憶は、放っておくと三日で消えてしまいます。
忘れられちゃった店は、どんなに満足したとしても選ばれっこないですよね?
リピーターを増やしたかったら、単純です。
お客さまに忘れらないようにすることです。
そのためにお客さまと常にコンタクトをとりましよう。
それが最重要課題です。
現代の生活者は売り込まれたくない
でも、売込みのダイレクトメールを送ったり、売込みのメールマガジンを毎日のように送ったりしては、マイナスです。
あなたの家のポストに2通のハガキが届いていました。
1通は、あからさまにダイレクトメールとわかるものです。ハガキの全面に『感謝セール』。ひとめでどこかの店からのダイレクトメールとわかります。別の1通は文字が並んでいます。
普通のお手紙のように見えます。
さて、あなたならどうしますか?
一見してダイレクトメールだとわかるものは、その場で捨てるかもしれません。
だってダイレクトメールですから。
売り込みは、読まなくてもいいですからね。
でも、手紙だったらどうですか?
とりあえず、その場で捨てたりしませんよね。
ダイレクトメールは捨てられるんです。
どうしてかというと、ダイレクトメールは「売り込み」だからです。
今の生活者は「売り込み」を嫌います。
だからあからさまに売り込んでいる、ダイレクトメールは効果が薄いんです。
ダイレクトメールではなく、既存のお客さまに「お手紙」を書くというスタンスがダイレクトメールを成功させるコツなんです。
「買ってください、買ってください」という「売り込み」ばかりのダイレクトメールは、もう効果がない。
そんなダイレクトメールばかり出していると、あなたのダイレクトメールを見た瞬間、ゴミ箱に捨てられてしまいます。
中小企業や店というのは、基本的に「地域密着」が重要な活動です。その地域での信頼が大切だっていうことです。
あなたの店がその地域で信用を落とすと、もうこれは致命的なことになってしまいます。
売り込みばかりのダイレクトメールは、信用を落とす結果になってしまう可能性があるってこと。
四国の家具屋さん。
「TOKI家具館」の土岐さんはボクの塾生さんです。
いつもセールの時に、ハガキのダイレクトメールを出しています。
以前はひと目でダイレクトメールとわかるデザインで、セールを告知していました。
売り込みをやめて、お手紙という考えかたで既存客にハガキを出しました。
「がんばらせていただきます」というタイトルが目立つ手書きのデザイン。
以前のダイレクトメールは、土日2日間の売上はいつも300万円くらいでした。
それが手紙というコンセプトに変えたら、2日間の売上が580万円だった。
明らかに、お客さまに伝わったんです。
忘れられないようにするためには、ダイレクトメールではなく、お手紙を書きましょう。
その他には、ニュースレターがとっても効果的です。
個人の顔、経営者や店長、スタッフの方々が顏を出し、お客さまが知りたくなるような情報や地域の情報を月に1度とか数か月に1度、お届けするのです。
そうしたら、忘れないようになりますよね。
いつもあなたの店が、人生の中に存在しているという状態になるのです。
そうすると、リピーターが増えるのは間違いありません。
ニュースレターの他には、インターネットのブログやメルマガ、FacebookやTwitterなどのSNSを使うことも効果あります。
ともかく、忘れられないようにすることが大切なんです。
藤村 正宏
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