お客さまを「かたまり」として捉えないこと
20世紀のビジネスでは、人々を「マス(かたまり)」として捉えていた。
大量生産、大量消費、大量の同じ情報。
マスが世の中の主流でした。
企業活動も、マスをコンセプトに考えられていた。
人々を大きな「かたまり」と定義し、そこにCMを流し、顔の見えない人々に同じ商品を売っていた。
でも、実際はマスなんて世の中になくて、人間は一人一人、それぞれの人生をもって生活しているのです。
SNSが登場し、普及することでマスというものが機能しなくなっている。
SNSが本当に殺したのは「マス」という概念です。
商品情報は落書き
先日、ボクの塾生のアパレルの社長、奥ノ谷圭祐さん(短パン社長)が販売したTシャツが異常なほど売れているのを目の当たりにして、そんなことを考えていました。
まず、このイラストを見てください。
エクスマの塾中に、奥ノ谷社長がホワイトボードにサラサラと書いた落書きです。
Tシャツのようにも見えるし、なんかの袋にも見える。
keisuke okunoya 第18弾?
¥20,000
パックTee
彼はこれをFacebookにアップしました。
こんな感じです。
商品はTシャツ3枚セットなんだけど、間違って、お茶のパックだと思った人もいた。
これが2日間で、460セット売れた。
金額にして920万円。
サンプルなし
展示会なし
素材もわからない
デザインの詳細もわからない
商品情報は落書きだけ
これは今までのアパレルビジネスでは考えられないことです。
どんなに有名なデザイナーでもデザイン画だけでは服が売れないんじゃないかな。
それがこんな落書きのようなイラストで、それも描くのに1分もかからなかったイラストです。
人と人とのつながりで「商品」が売れるという、「つながりの経済」になってきたことを実感します。
彼のことが好きな人がたくさんいるということ。
ファンのような人との間で、ゆるいコミュニティみたいなものができている。
彼は色々な意味で「目立つ」ので、けっこう妬まれたり、批判されることもあります。
言動が鼻につくという人もいるし、うざいと言う人もいます。
同業者からは「アイツはビジネスをなめている」と陰で酷評されている。
そういう酷評をしていた人たち、アパレルのナントカ組合に所属してる人達は、果たして今も彼をそう批判できるのだろうか?
だって、そういう人たちより、確実に実績を出しています。
安売りせずに、販促もせずに、服がめっちゃ売れている。
SNSをバカにして、「あんなものでお客と関係性なんて作れない。リアルで会うのが一番」とか「SNSなんちゃらとか言っているけど、そんなもので売上あがるわけない」とか「SNSで売っても意味がない」とか言っていた、業界のおじさんたちのほうが、よっぽど「ビジネスをなめている」のです。
人を批判する前に、実績を出すこと。
批判するのは実績を出してから。
というか、実績もないのに批判するその考えが、実績を出せない原因に気づくことです。
実績出せない人間は人を批判する権利はないのです。
一人一人が個性ある人間
「つながりの経済」で成功するためには、お客さまをひとかたまりのマスで捉えるのではなく、一人一人個性のある人間として捉えること。
お客さまとの関係性が一番重要なのです。
SNSをやらないというのは、お客さまとの関係性はいらないと言っているのと同義語。
そんな時代が着々と近づいているのです。
藤村 正宏
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