地味に売れ続けている本
忘れていた頃にいいニュースがあると、めっちゃ嬉しくなります。
先日出張から帰ると、自宅に僕の本が届いていました。
2009年3月発売の企画書の本です。
5回目の重版でした。
こういう類の書籍は、ロングセラーで売れ続けるという特徴があります。
社会人になりたての人向けに、企画書の書き方やアイデアの出し方を書いた本です。
超初心者向けですから、僕のブログの読者さんは、もうほとんどの人は必要ない本。
読まなくても大丈夫です。
それでも読みたい人は以下からどうぞ。
【企画書・提案書の書き方がかんたんにわかる本】
<日本能率協会マネジメントセンター>
その中で『オズボーンのチェックリスト』というのを紹介しています。
ブレーンストーミングを作ったアレックス・F・オズボーンという人が考えた思考方法。
アイディアを出すときに、思考の手がかりにするためのものです。
「思考実験」するときにも役立つ考え方だと思う。
オズボーンのチェックリスト
◆転用
他の用途
今のままで新しい使い道はないか
少し変えて他の使い道はないか
オフィス街の高層ビルの47階にあるレストラン。
平日はたくさんのお客さまが入りますが、週末はまったく客がいない。
だから土日は休業日です。
ほかに使い道がないか?
そして、「天空のレストランウェディング」という商品を開発しました。
土日だけ、ウェディングレストランとして展開したのです。
これは単価も高いし、よく売れました。
◆応用
真似できないか
これに似たものはないか
他に似たアイデアはないか
たとえば、タクシーがJAZZ喫茶の真似をしてみるという発想。
タクシーに真空管アンプを搭載、スピーカーも特注。
社内のオーディオ環境をめっちゃ良くしたわけです。
まさに、移動JAZZ喫茶。
これはジャズタクシーという実際にあったタクシーです。
◆変更
色、形、音、におい、動きなど変えられないか
形式を変えたらどうか
意味を変えたらどうか
「変更」する発想ですが、これで最初に思い浮かぶのは、あのアップルがコンピューターの常識を変えた『i-Mac』。
それまではパソコンといえば、無味乾燥な色使い。
それを半透明なスケルトンボディにしました。
◆拡大
何か加えたらどうか
もっと回数を多くしたらどうか
大きくできるか
より強く、高く、長く、厚く
飲食店の「大盛り」なんていうのは、この考え方です。
そのときに、たとえば、非常識なくらいの大盛りを作ってみたりすると、個性になったり、話題になったり、口コミしたりするのです。
また、こんなの誰が買うんだよ、というくらい高価な商品を作ってみる。
時間をかける、回数を増やすなども「拡大」の発想の一種です。
◆縮小
分割したらどうか
やめたらどうか
小さくできるか
軽く、低く、薄く
ポケットに入るスーパーコンピューター。家庭用プラネタリウム。ホームシアター。
空港で売っているお弁当、いわゆる「空弁」は、例外なく小さくなっています。
◆代用
他の材料にしたらどうか
他の人にしたらどうか
場所、モノ、で置き換えられないか
会議室での会議をやめ、温泉旅館で会議をする。
美容室で髪をカットする場所を、屋外のテラスでする『青空カット』。
◆置換
他の順序にしたらどうか
原因と結果を入れ換えたらどうか
売場の構成を商品から発想するのではなく、雰囲気やテーマで発想するというのはこれに当たります。
商品から発想するというのは、野菜は野菜売り場、肉は肉売り場、パスタはパスタ売場というカテゴリーで並べること。
テーマから発想するというのは『今日の夕食は美味しいパスタコーナー』というテーマにして、パスタに使う食材をそのコーナーに集めるというやり方。
◆逆転
役割を逆にしたらどうか
立場を変えたらどうか
上下左右、前後を逆にしてみる
逆転の発想は、思わぬ価値になることがあります。
マイナスと思われてることを、逆転の発想でプラスにするしたりね。
たとえば、駅から遠いホテルなどは隠れ家的で静かなところかもしれない。
不味いものは、健康にいいかもしれない。(青汁はこれでブレイク)
◆結合
合体できるか、混ぜられるか
携帯電話とデジカメとか
美容室とサッカージャーナリストとかね。
税理士とマーケティングコンサルタントは、税務のアドバイスはもちろん、チラシのアドバイスや新商品開発のアドバイスもします。
売上を上げる税理士
このチェックリストを、あなたの既存の商品や人材に適用させてみてください。
そこから、新しい発想や新しいアイディアが出てきて、素晴らしい価値生まれる可能性があります。
突飛なアイデアから価値のある生まれる可能性がある
ソーシャルメディアが普及することで、マーケティングの考え方を大きく変えなければならなくなった。
そういうことには気づいていますよね。
というか、まだ昔のような考え方のままだとしたら、相当危機感を持ってもいいです。
同質化したモノが溢れている時代に、独自化できるひとつの方法。
独自化することが、価値を引き出してくれるのです。
いかに個性的になるか。
これがとっても重要な要素になってくる。
そして、個性的な物事は突飛なアイデアから生まれると思う。
「髪が伸びてなくても、毎日行きたくなる美容院」
そんな店ができるかな?
一度考えたことがあります。
店の前面をカフェにしてしまうとか、雑貨屋さんにしてしまう。
カフェにして、奥に美容室があるっていうイメージ。
毎日来て、そのうち髪を切るときにはその美容室でやってもらう。
「世界中のタバコが売っていて、喫煙者以外は入店できないカフェ」
喫煙者にとって、タバコの吸えない環境が増えています。
ということは、堂々とタバコが吸えるカフェは価値があるということ。
世界中のタバコや喫煙具が売っていて、喫煙者しか入れないカフェ。
これが都内にたくさんできたら、いいな〜
嵐山光三郎や荒俣宏みたいに、圧倒的に面白い話をしてくれるホストがいる、ホストクラブ。
これは行ってみたいです。
僕がマスターでいつもいて、ビジネスのアドバイスをしてくれる「Barエクスマ」。
マーケティング関連の良書がたくさん並んでいて、マーケティングのミニセミナーもやっている。
そのBarに行けば、売上をあげるためのノウハウが得られる、ビジネスのヒントがたくさん得られる。
なんていうのも面白いですよね。
一見、突飛なアイディアから、めちゃめちゃ価値のあることが生まれてくる可能性があるのです。
藤村 正宏
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