起業するコストが劇的に下がった
ボクが若いころより、起業する人が多くなっています。
できたら、人に雇われるより、自分の好きな分野、得意な分野で起業する。
そう思う人が増えているのでしょう。
確かに現代社会は、起業コストが当時と比べればかなり減っている。
会社を作るとか、事務所を構えるとか、告知をするとか、そういう物理的コスト。
そして、心理的コストも低減している。
ボクが大学を卒業した80年代は、大きな会社に入って、一生その会社で仕事をすることが当たり前だった。
というか、それが美徳だった。
目立つこと、他とはちがうこと、個性的なことは、ある意味迷惑がられた。
どうして迷惑かというと、怖いから。
みんな自分と同じものを食べ、同じような服を着て、同じような新聞やTVをみて、仕事も安定していることで、世の中は安心していたのです。
そして、目立たないことはある意味正義だった。
だから、独立起業なんていうのは、よほど能力があるか、特殊なスキルがあるか、あるいはどこにも属せないはみだしものか。
そういう時代。
今は社会の目や風潮が、起業を特別なこととして見なくなった。
それはとってもいいことだと思う。
インターネットの普及やテクノロジーの発達で、すごいことができるようになりました。
十数年前には、個人でTV局やラジオ局を持つことなんて、誰も想像できなかった。
スマホの普及で、24時間いつでも情報に触れることができる人が激増している。
ブロードバンドにより、映像もストレスなしで見られます。
クラウドサービスの普及やソーシャルメディアのインフラ化。
こういう要因で、今まで莫大なコストをかけていたことが、ものすごい低コストでできるようになったってこと。
数千万から数億円コストがかかったことでも、ほぼ無料でやろうと思ったらできるようになった。
大企業しかできなかったことが、たったひとりの個人でもできるようになったってことです。
今まで大企業数億もかけて広告をしていたのと同じ効果が、個人であげられる可能性もあるんです。
大企業にとっては、苦々しい状況かもしれませんが、個人や中小企業にとっては追い風になっています。
本当にエキサイティングな時代です。
そういうことも、起業をする人の肩を押しているのでしょう。
起業する前に勉強するべき一番大切なこととは?
自分の得意な分野で、自分の好きなコトをするために起業する。
それはとても素晴らしいことだと思う。
たくさんの人が起業して、自分の好きなことで、人生を輝くものにしてほしい。
起業するために一番必要なことはなんでしょう。
人とはちがう卓越したスキルや能力。
誰もが欲しくなるような素晴らしい商品やサービス。
どんなことがあってもくじけない熱い情熱。
応援してくれる友人や取引先。
確かに大切ですね。
何も異論の余地はありません。
でもね、それが揃っていたら、成功するかというと、そうでもないんです。
成功するために必要な能力は何かというと、
「自分でお客さまを集める能力」
それを勉強しないで起業しようと思っているのなら、やめたほうがいい。
失敗する確率が高くなります。
というか、成功するのは100人に6人程度です。
たとえば、大企業の役職を辞め、独立した人がいます。
辞める前は、「独立したら、応援しますね」とニコニコして言ってくれた、取引先がたくさんあった。
だから会社に属していなくても、今の生活水準は保てるだろうと、独立する。
でも、そう言ってくれていた取引先も独立した途端冷たくなる。
そんなことはよくある話しです。
それはその個人の能力を認めていたわけじゃなく、バックが大企業だったから。
そういう人を何人か見てきました。
他人を頼っていては、独立起業しても成功できる可能性はかなり低い。
自分で集客することを勉強しないで、いい商品だから売れるにちがいないと、独立しても、世の中そんな甘いものではありません。
失敗します。
たとえば、美味しいラーメンを開発して、ラーメン屋さんを開業したら、お客さまが行列する店になるか。
そんなことはありません。
美味しいラーメンだけだと、開業しても長続きしません。
だいたい、美味しいなんていうのは、食べてもらわなければわからないのです。
どういうふうに新規客を集めるのか。
どういうふうに、名物メニューをオーダーしてもらうのか。
何度も来店しもらえる仕組みはあるのか。
クチコミや紹介してもらえる方法を考えているのか。
それを勉強していなければ、起業しても成功はおぼつかない。
ラーメン屋さんだけでなく、カフェ、雑貨屋さん、美容院、歯科医院、税理士事務所、弁護士事務所。
みんなそうです。
歯科医院の廃業、美容院の廃業が増えているのは、さまざまな業界情報で知っている方もいますよね。
弁護士だって、それだけでは食べていけない人もいる。
自分だけ被害をこうむるのならいいんですよ、自業自得ですから。
でも現実はそうじゃないから。
応援してくれた家族、知人や友人、お客さまを巻き込んで不幸になるだけです。
だいたい、失業者が増え、日本経済に悪影響を与え、社会的にも迷惑です。
「好きなことを仕事にしなさい」と言うと、すぐに今の会社を辞めて、独立しようとする人がいます。
今の会社でやりがいや楽しさがみつからないから起業するなんて、そんなふわふわしたものだったら、やめたほうがいい。
失敗するのが目に見えているから。
だから、好きなことをするためには、自分で集客する方法を勉強することが必要なのです。
効果的な販促物を作る能力。
ソーシャルメディアを活用する能力。
お客さまと関係性を創出する能力。
あなたが、いい商品を売っていたらお客さまはきっと買ってくれるはず、なんて思っているのなら、それは素人考えです。
悪いコトは言わないから起業なんてゆめゆめ考えないことです。
プロはそんな甘い考え方はしないものです。
まずは、
自分で集客することや自分で売上を上げることを勉強して、虎視眈々、起業する準備をすること。
それが大事なのです。
藤村 正宏
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