10年以上シャンプーもリンスも使っていない
汗をかいたので、昼間にシャワーを浴びました。
よく晴れた、真夏日の日曜日。
石けんで髪を洗い、その同じ石けんで体も洗います。
ボクはもう、10年以上シャンプーとリンスを使ったことがありません。
今から12年くらい前に書いた本で、「シャボン玉石けん」という会社のことを紹介しました。
その時に、石けんのことをいろいろ調べているうちに、もしかすると合成洗剤を使ったシャンプーは、抜け毛が増えるんじゃないかなって思って、それからいつも、石けん素地100%の固形石けんを使っています。
最初使ったときには、髪の毛がゴワゴワして、気持ち悪かったのですが、一週間くらいたつと、なぜか髪がサラサラするようになった。
それ以来、ずっと使っています。
そのおかげかどうかわからないですけど、抜け毛が極端に減った。
まだ髪の毛はたくさんあります(笑)。
その時の記事を、リライトして紹介します。
「シャボン玉石けん」
最近、「石けん」って買います?
御歳暮や御中元でもらったもので足りてしまったり、お風呂で使うのはボディーソープが多かったりで、薬屋さんでもあまり見かけなくなりましたよね。
そう言えば洗濯も液体や粉末の合成洗剤だし、固形の石けんという形が目に付く機会が少なくなりましたよね。
そんな中「無添加石けん」で業績を伸ばしている会社があります。
北九州市に、40年以上、無添加にこだわって石けんづくりをしている「シャボン玉石けん」という会社があります。
毎日大量に消費している石けん・洗剤の90%は、大手メーカーの大量生産による合成洗剤で、「中和法」という方法で作られています。
4〜5時間でできてしまうのですね。
ところが、シャボン玉石けんは「ケン化法」という方法で熟練の職人が”ケン化釜”に原料油脂を入れて炊き上げて創ります。
最低でも1週間かかる石けんづくりをしているのです。
時間がかかっているので当然単価は高くなり、無添加で何にも混ぜ物をしていないのでごまかすことができません。
大量生産ができなくて、利益率が少ないのです。
それでも業績が伸び続けている。
この会社50年前には、石けんよりも大量生産で安いものに早く切り替えたほうがいいと、合成洗剤に変えた時期があったそうです。
そして大量生産、大量消費の時代の波に乗り、とても会社は上手くいっていました。
しかし、このシャボン玉石けんの社長、自らが10年間悩まされていた湿疹が、無添加石けんを使うことで治ったことから、昭和49年、合成洗剤から無添加石けんに商品を変えたのだそうです。
合成洗剤で充分利益を上げていて、まわりの競争も大量生産で、安い商品をという時代に、あえて単価の高い無添加石けんに切り替えるという決断は、そう簡単なものではなかったでしょう。
問屋や小売店も受け入れてくれる所は少なかったそうです。
そして無添加石けんに切り替えてから、最初5年くらいの赤字は覚悟をしていたのですが、それが実に17年間、会社の赤字が続いたのです。
よくがまんしましたよね。
ところがシャボン玉石けんは1990年頃転機を向かえました。
その頃、世の中にアトピーで悩む人々が多く出始めた時期でした。
日本人が環境に対して意識が向いてきたのです。
それ以来、右肩上がりに売る上げをのばしています。
もちろん時代を先取りし、製品の質が体に良く、環境に優しいというのがこうした業績を生んでいるのは間違いありません。
しかしそれだけで黙っていて商品が売れるようになったわけではないということ。
ちゃんと、その「価値」を伝えているのです。
「シャボン玉石けん」の森田社長は、1991年に「自然流せっけん読本」という本を発表し、環境に対していかに自然の石けんがやさしいかを訴えていました。
本やウェブ、講演などで
「最近、浴室でねずみに石けんをかじられてしまったということなどなくなりましたよね。」
「どぶに糸ミミズなどもいなくなりましたよね。」
などわかりやすい切り口で、合成洗剤の恐さを訴えていた。
「無添加石けんの家庭排水として流された石けん水は、一日で水と二酸化炭素に分解され、 石けんカスは微生物の栄養源に、そして最終的には、魚のエサとなります。つまり無添加石けんは、環境を汚染するどころか、生態系にうまくリサイクル されているというわけです。」
無添加の石けんが、どのようによいのかということをわかりやすく伝えています。
工場見学なども積極的に行っていて、社員の人々も商品に対して愛情を持ち熟知しています。
こういった活動を通して、これに共感した本物を求める人々に地道に広め、ゆるぎない信頼を得ているのです。
大手メーカーとは商品も売り方の仕組みも違います。
この会社独自のやり方で、信者とも言える顧客を増やし、信頼を裏切らない製品を作り続け、業績を伸ばしているのです。
会社や商品のコンセプトを、絶え間なく発信しています。
ブランドとは、「信頼」。
それを改めて思い出させてくれる、そんな会社です。
経営者の代替わりがありましたが、いまでもこのコンセプトで石けんを作りつづけています。
藤村 正宏
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