商品開発もIoTを無視できない時代
商品開発でも、マーケティングでも、ある程度未来を予見しなければ、売れない時代になったんだと思う。
昨日、大阪のPanasonicの、開発部門の社員さん向けにセミナーをやっていて、そう思った。
たとえば、IoT(Internet of Things)「モノインターネット」って言葉は去年くらいからウェブで見かけるようになりました。
そのIoTを商品にどう内包させるのか?
そういうことを考えた製品を開発することが大切な時代になった。
IoTがもたらす変化の本質は、モノの「価値」のコンセプトが大きく変わることです。
以前モノの価値は、機能や性能が重視されていました。
自動車のエンジンスペック、デジタルカメラの画素数、HDDプレイヤーの性能、薬の成分、電気工具の使いやすさ・・・などなど。
でも、今はスペック以外のところが価値になる。
たとえば、カーナビを考えてみてください。
ボクの車に搭載されているカーナビはかなり性能がいいカーナビです。
一年位前に買った新車についていたものですから。
でも、今年新しく開通した首都高の中央環状線(C2)の大橋〜南大井の道は出てきません。
閉じられた世界でのカーナビだからです。
でも、車がインターネットにつながっていると、ナビが自動的にアップロードされ、新しくできた道だって案内してくれるようになる。
iPhoneなどのスマホは、カメラにも、地図にも、スケジュール帳にも、水準器にもなる。
スマホからのデータを使い、写真共有サービス、SNSも楽しむことができる。
それは性能が価値ではなく、その中のアプリ(ソフトウェア)が価値になっているということです。
さらにインターネットにつながることで、機能が向上したり使い勝手がよくなったり、新しいサービスを受けられたりするようになる。
購入時よりも、価値のある商品になるということ。
モノを新しくするというより、ソフトを更新することで、どんどん使い勝手がよくなっていく。
さらに使う人によって、それがカスタマイズされていく。
カーナビで言うと、あるドライバーがいつも使う裏道を覚え、渋滞や時間帯を考慮して、その裏道を優先して選んだりするような、製品そのものが学習をしてより使いやすくなっていく。
IoTが一般的になる社会ではモノの価値が、モノそのものだけではなく、その周辺のサービスやソフトが価値になるってことです。
そんな時代が目の前に近づいている。
だから、今後、食材を管理してくれ、日常的に使っている食品がなくなりそうになると、自動的にAmazonに発注してくれる冷蔵庫や、一日のうちの天気の移り変わりに対応したエアコンの調整をする家、便の状況を一瞬でスキャンして健康管理してくれるトイレなどなど、新しい概念の商品が次々と出てくるんじゃないかと思うのです。
今後、製品や商品を開発するときには、どんなものでも、たとえば印刷物や洋服、食器などでも、世の中がどういう流れになっているか、どういう方向に進むかを感じ取り、自分の商品サービスがどう影響を受けるのか、どう活用できるのか、そういうことを考えることはとても重要なことになってきます。
面白い世の中になってきた。
表現したい人や表現したい会社にとっては、すごくエキサイティングな時代になったな。
昨日、Panasonicの開発部門の方々にお話しをしていて、そんなことを感じていました。
世の中の流れに乗りましょう。
藤村 正宏
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