映画で気づいた、ビジネスの「構造」と「シナリオ」

映画を観ると仕事がうまくいく

先週は名古屋で映画館セミナーをやりました。

たくさんの方々が来てくれました。
ありがとうございます。
映画で気づくビジネス成功の真理。
そんな感じのセミナーでした。
楽しいセミナーになったと思う。
だって、映画そのものが、楽しいものですからね。

実際映画っていうのは、成功するためにヒントがいっぱいあります。

新しいビジネスの視点。
リーダーの役割。
商品開発の視点。
マーケティングの方法。
アイデア発想方法。
危機管理能力を高める方法。
仕事の本質。

どんな映画も、学ぶ姿勢さえあれば、新しい視点や気づきが満載です。
映画を観る視点の問題なんです。

ヒッチコックの名作「汚名」 <ウィキペディアより>

ヒッチコックの名作「汚名」
<ウィキペディアより>

 

取り上げた映画

「007スカイフォール」
「アポロ13」
「シェフ」
「汚名」
「ロミオとジュリエット」
「ビッグ」
「キッド」
「荒野の7人」
「アイアムレジェンド」
「恋におちたシェイクスピア」

映画には構造とシナリオがある

「恋におちたシェイクスピア」
ジョン・マッデン監督 アメリカ 1998年

「恋におちたシェイクスピア」は、シェイクスピアの若いころの話を描いた映画です。
「ロミオとジュリエット」という有名な戯曲がありますね。
それがどういうふうにつくられたか、ということを描いています。
アカデミー賞七部門を受賞した、とてもいい映画。

僕は大学で演劇学を専攻していました。
シェイクスピアも結構読みました。
シェイクスピアの作品は全部で37あると言われています。
40という研究者もいますが、定説は37です。

シェイクスピアが物語の構造をすべて作ったと言われています。
今ある物語はすべて、シェイクスピアの焼き直しだ、ということ。

たとえば、ほとんどのラブストーリーの構造は、「ロミオとジュリエット」が原型になっている。

出会ってはいけない二人が出会う
恋に落ちる
そのためのいろんな葛藤があって、いろんなことが起こる
悲劇で終わる、あるいは、ハッピー・エンドで終わる

「ロミオとジュリエット」は、簡単にいうとこういう構造になっています。

[構造]      [シナリオ]

出会い       封建社会のなか
 ↓         ↓
ひとめぼれ     決して添い遂げることのできない二人が出会い
 ↓         ↓
許されぬ恋     命がけの恋をして
 ↓         ↓
その葛藤と結末   周囲をさんざん巻き込んで、二人とも死んでしまう

こんなふうにまとめると身も蓋もない話しですが(笑)。
でも、シナリオとしてはこういう話です。
今繰り返しつくられているラブ・ストーリーはみんな同じ構造で、シナリオだけが全然違うっていうことです。

これがラブ・ストーリーの原型です。

あるいは、「じゃじゃ馬ならし」という作品。
これも後の世にいろんな名作となって甦っています。
「マイ・フェア・レディ」の構造は「じゃじゃ馬ならし」です。
「プリティ・ウーマン」も同じような構造になっている。

シェイクスピアの戯曲の中で、物語のほとんどの構造が出尽くしてしまった。

それを実感したことがありました。
それは、ヒッチコック監督の「汚名」という映画を観ているときです。

「汚名」
アルフレッド・ヒッチコック監督 アメリカ 1946年

ボクはヒッチコックの映画はけっこう見ていますが、中でも「汚名」はたぶん最高傑作の一つだと思う。

「めまい」も最高傑作のひとつ。
「裏窓」っていうのも結構好き。
「北北西に進路をとれ」
「サイコ」
「鳥」
「ロープ」

傑作をたくさん作っています。

数ある作品の中で、「汚名」は、ヒッチコックが撮った映画の最後の白黒映画です。
ケーリー・グラントとイングリッド・バーグマンの出るサスペンス。
イングリッド・バーグマンは美女。
そして、ケーリー・グラントはイケメン。

話はサスペンス。
「構造とシナリオ」で考えると、シナリオはサスペンス。
ところが、構造を見ると、これがラブ・ストーリーになっている。
構造はこうです。

[構造]
出会い
 ↓
ひとめぼれ
 ↓
許されぬ恋
 ↓
その葛藤と結末

「ロミオとジュリエット」と同じ。

シナリオは違っています。

[シナリオ]
サスペンス
 ↓
ナチスのスパイの娘とFBI捜査官
 ↓
原爆の原料である「ウラニューム」
 ↓
逆スパイ

第二次世界大戦時代、アメリカにナチスのスパイが入り込んでいる。
イングリッド・バーグマンはナチスのスパイの娘なんです。
お父さんは捕まったんだけど、お父さんの友達が南米で、ある秘密兵器の開発をしている。
そういう背景。

一方、ケーリー・グラントはFBI捜査官。
バーグマンのお父さんの友達はやはりナチスのスパイで、要は原子力爆弾の研究をしている。
しかし、アメリカ側は何を開発しているかわからない。
その調査をするためにケーリー・グラントが彼女に近づいて、なんとか彼女を協力者にして、お父さんの友達のところに行かせて探る、という話。
つまり逆スパイの話なんですね。

しかし、二人は出会って恋に落ちてしまう。。
FBI捜査官とスパイの娘、許されない恋。
いろんなサスペンスとロマンチックなシーンを繰り返しながら最後にはどうなるかということで、ハラハラ、ドキドキする映画です。

ビジネスもマーケティングも「構造」と「シナリオ」がある

映画には構造とシナリオがある。
「ああ、そうか!」と思った。
これって、ビジネスやマーケティングにも当てはまるんんじゃないかな。

例えばチラシ、ダイレクトメールあるいはホームページ。
そういった販売促進するためのものにも、構造とシナリオがあるんじゃないかなって思った。

売れるキャッチコピーってあります。
チラシやDMの反応が良くなる。
例えば、伝えたい相手に直接話しかける、お客さんの声を利用するとか、知っていましたか?など好奇心に訴える。
そういう売れるキャッチコピーの考え方ってある。
でも、反応が良くなることもあるけど、これを使っても反応が良くならないこともある。
同じコトバをキャッチコピーとして使っているのに、何故反応のいい販促物と反応の悪い販促物があるんだろう。
不思議だな。
ずっとそう思っていた。

でも、ヒッチコックの映画を観ているときに気づいた。
そうか!
構造が違うから、シナリオだけまねしただけでは反応が悪いんだ!
構造がしっかりとしていなかったら、表面だけ真似てもまったく意味がない。

これは、販促物やウェブサイトをつくるときにとても重要な概念。
さらにビジネスモデルや文章でもとっても大切です。
表面だけ参考にするのではなく、もっと奥にある「構造」を参考にすることが大事なのです。

ビジネスのストーリーにも、構造があってシナリオがあるんだ、ということです。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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