成功しているLCCは、楽しさを売っている

『純喫茶フロリダ』での熱い一日

昨日はフロリダの熱い日でした。

「個性を最大限に活かして圧倒的に売上を上げる方法」というセミナーをやりました。
主催はボクのお弟子さん、勝村大輔氏。
ボクは光栄にもゲスト講師として呼ばれました。

今の時代、個性がなければ選ばれない。
でも個性って何?
個性を出すことって、どういうこと?
どうしたら個性を活かせるの?

そんなことを、勝村君と彼がコンサルしている美容室のオーナー山本真由美さんのお話し、そしてボクの話しで気づいてもらえたんじゃないかなって思う。
個性を活かすということは、自分の得意なことで周りの人や社会に役立つことをする。
これが真理なんだろうなって思う。

あ、フロリダっていっても神奈川県大和市の『純喫茶フロリダ』です。
とっても楽しかった。
楽しいって、すごく重要ですよね。
ホント熱い一日を過ごさせていただきました。

怪しげな雰囲気のセミナー会場で怪しい男ふたり

怪しげな雰囲気のセミナー会場で怪しい男ふたり

 

今日はまだその余韻が残っていますが、すごく寒いです。
桜も散り始めているっていうのに、雪が降るし。
外には出たくないくらい寒い。
家で仕事をしていたのですけど、午後に用があって外に出たら、想像以上に寒くて驚いた。

世界で初めてLCCってどこ?

LCC(格安航空会社)専用ターミナルビルが成田空港にオープンしましたが、世界で初めてのLCCってどこの会社か知ってます?

LCCのビジネスモデルを世界で最初に作ったと言われているのが、アメリカのサウスウエスト航空。
1967年に設立されて、1971年には就航。
LCCとして、世界で初めて就航した会社です。

サウスウエスト航空がやってきたことは、ビジネスにとっての気づきがとってもたくさんあります。
どんな業態でも、参考になると思う。

サウスウエスト航空は、LCCだから価格が安い。
安くするためにはコストを削減しなければならない。
余分なコストをか極力けないようにしています。

アメリカの会社にいたとき(90年代)、ボクはこの飛行機によく乗っていました。
まず何がスゴイかというと、座席指定がない。
予約はできますが、座席指定はなくて、順番に座っていく。
搭乗券はプラスチックのカードで、一回使い終わっても、次のお客さんがまた使う。
無駄な紙を使わない。

それだけでなく、飛行機が空港に着いてから、お客さんを下ろし、次のお客さんを乗せて飛び立つまでの間の時間を極力短くしています。
そろそろ空港に着陸というとき、シートベルトを締めて、リクライニングを起こしてください、という機内放送があります。
あの前に掃除を始めちゃう。
キャビン・アテンダントがごみを集め始めます。
そして、着陸してお客さんを下ろしたら、すぐに次のお客さんを乗せて飛び立つ。

航空会社は駐機している時間が長ければ長いほど、お金がかかるわけです。
ゲートに着いて、お客さまを入れ替え、ゲートを離れるまでの時間、わずか10分。
これは奇跡的な時間です。

掃除をして、次のお客さまを乗せ、燃料を入れて、ゲートを離れる。
わずか10分で再び飛び立つことができるオペレーションをひたすらする練習するそうです。
F1のピット作業のような感じ。

さらにボーイング737という機種しか使わない。
複数の機種も使うと、パイロットの免許が大変だからです。
例えば777のパイロットは、777の機種しか運転してはいけない。
次の機種を運転するためには、そのために特別な訓練を受けて、そのための免許を取得する必要がある。
法律で定められています。
同じ時期には一機種しか操縦することができません。
なぜかというと、飛行機によってスイッチの位置が若干違ったりするからです。
緊急のときに、慣れていない機種だと対応できない。
会社がボーイング737という機種しか持っていなければ、パイロットの訓練はその機種だけで済む。
整備士もその機種の整備だけ覚えればいいわけです。
それによって、コストはものすごく安くなっていきます。

他とはちがうことをやるのが価値

サウスウエスト航空は、大手と同じ土俵で戦いませんでした。
大手と同じ路線には参入しないし、同じようなビジネス展開をしません。

空港にしても、人気のある空港は駐機料が高いわけです。
例えばロサンジェルスとかニューヨークのJFKなどは高い。
そういうところには就航せず、人気のない空港を選んで就航していった。
ニューヨークでいうと、お隣のニュージャージー州にあるニューアーク空港。
これは国内線専用の空港ですが、そういうところとつないでいきました。

日本でいうと、羽田-伊丹はとても人気がある路線です。
あるいは、羽田-福岡もそうです。
羽田-伊丹の代わりに、成田-神戸を飛ばしているような感じです。
あるいは、成田-北九州を飛ばしているような感じです。
そうすると、空港使用料がすごく安くなる。
安い空港を選んで、国内線をどんどん飛ばしていったわけです。

アメリカの航空会社ではM&Aがどんどん進んでいました。
企業買収、合併です。
航空会社同士の合併はどんどん進んでいましたが、サウスウエスト航空は今まで一度もほかの航空会社を買収したことはありません。
企業文化の違う会社を買収しても、なかなかうまくいかないし、時間がかかる。
そんなことをしているより、ちゃんと自分の会社の文化を育てていくほうがいい。
さらに、過去、一度も国際線に出ようとしたことがなかったこと。
サウスウエスト航空はすべて、国内線です。

大きなところと戦わない。
人が見向きもしなかったところに価値を見出す。
自分たちの特長ある価値を出すように努力した。
無闇に拡大をしようとしない。

じゃあ、小さいままなのか?
乗降客数では世界第9位の航空会社です。
ボーイング737を500機以上持っています。
たくさんのお客さんを運んでいるわけです。
パイロットやCA、整備、地上従業員の給料も高い。
欠航率は低く、定時運航率は高いし、安全性もとってもいい。

余分なサービスはしてくれないけど楽しいサービスはしてくれる

サウスウェスト航空、余分なサービスはほとんどありません。

でもサービスが悪いのかといったら、そんなことはない。
今はわからないけれど、ボクが乗っていたときは、「新聞をください」と言ったら、見せてくれました。

でも、サービスはとってもフランクです。
ボーイング737というのは、真ん中に通路があって、両脇に3列、3列のシートがあります。
ABC、DEFというふうに番号が振られています。
ボクは窓際のAに座っていて、キャビン・アテンダントに「すみません新聞を見せてほしいんですけど」と言ったら、「OK」とすっごくフランクな返事が返ってきました。
そして、パッと取りに行って新聞を持ってきたと思ったら、それを手渡ず、ピュッと投げた。(笑)
シュッと投げたから、おおっと思ってパッと取ったら、「グッド・ジョブ」って言われた(笑)……そんな感じで、ものすごくフランクです。

飛行機に乗ると、救命胴衣の説明をしますよね?
ボクがアリゾナのフェニックスというところから、ネバダのラスベガスまで乗った時、ボクはすごく興味津々だった。
何かというと、そのフライトは砂漠の上しか飛ばないんです。
でも、航空法によって、救命胴衣の着け方を指導しなければいけないことになっています。
どうやって指導するのかな、と思っていた。

男性のパーサーが出てきて、こう言いました。
「これから救命胴衣の説明をします。ただ残念なことに、この飛行機は海の上は飛びません。
海の上は飛びませんが、たくさんのプールの上を飛びますので聞いてください」
すごく面白かった。

企業文化として、従業員が楽しく仕事するのを推奨しているんです。

アメリカの航空業界に詳しい人から聞いた話しですけど、ある時、ニューメキシコ州のアルバカーキ―という空港に、大手航空会社が参入することになりました。
そこの空港はサウスウエスト航空がかな発着している空港でした。
その参入の初日、空港カウンターのスタッフたちは、「我々は○○航空と断固として戦う!」というメッセージを大きくパネルやポスターにして掲げ、アメリカ陸軍の迷彩服を着て、ヘルメットをかぶり、顏まで迷彩のメイクを施して楽しんだ。
ライバル会社の参入まで、面白おかしく利用してしまう。
そんな文化を持った航空会社なんです。

「我々のライバルは他の航空会社ではなく、ディズニーランドだ!」

トップが自らそう言っている会社ですから。
基本的な商品の質もよく、価格も安い。
そして、楽しい会社。
これが経営上うまくいかないわけありません。

日本でもLCCがかなり増えてきましたが、パイロット不足や整備の問題などで、定時運行ができないとか、欠航するとか、いろいろと問題が出てきています。
そういうことを乗り越え、LCCが定着してくれることが、ボクたち利用者にとって、とてもメリットになるのです。
LCCがしっかりと運行できるようになったら、大手のJALやANAもちがうサービスをしたり、価格を今よりも安くなったり、そういういいことがある。
がんばってほしいな。

成田空港第3ターミナル開業のニュースを見ていて思ったのは、概ねそんなことだ。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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