ムダ話の多い講演は面白い
今日は愛知県碧南市で講演しました。
愛知県LPガス協会 西三河支部、特別委員会の主催でした。
塾生の杉浦りんさんが、特別委員会のメンバーだったので呼んでくれました。
ガス業界だけじゃなく広く誰でも参加できる、そういう講演会でした。
2時間の講演。
けっこうムダ話が多くて、面白い講演でした。
おかげで予定していたスライドは全部はできませんでした。
ムダ話が多い講演って、やっぱり面白いと思うんです。
いい加減がちょうどいい
先日、エクスマスタッフの橋本くん(ハッピー)と、別のスタッフを待っている間、立ち話をしていました。
「真面目な人が多いよね」そういう話。
その時はちょうどオフィス街の昼休み時間でした。
ボクたちの前を、スーツを着たビジネスパーソンが何人が通ったのです。
それをながめていて、ボクがふと、言った言葉です。
みんな怖くて厳しい表情をしていた。
特に営業部長みたいな人たちが。
真面目に仕事に取り組んでいる。
午後からもがんばらななきゃ。
そんなオーラーがひしひしと伝わってきたのです。
最近よく思うことがある。
真面目っていうのがダメだって言っているんじゃないですが、誤解を恐れずに言うと、
「いい加減」っていうのはホメ言葉なんじゃないだろうか。
そういうこと。
どうしてかというと「いい加減」っていうのは完璧じゃないってことだから。
え? どういうこと? って…。こういうことです。
人間はそもそも完璧な存在ではありません。
どんな立派な人だって、完璧な人間なんて存在しない。
みんな利己的な部分もあるし、見栄もあるし、欲望もあるし、嘘もつきます。
パナソニックの方から聞いたのですが、立派な経営者、あの松下幸之助さんも完璧じゃない。
とっても人間味のある人だったそうです。
完璧になんて絶対なれないのに、「完璧」を目指すから、そこに無理が生じるわけです。
だから辛くなります。
つまらなくなります。
不毛になります。
潤いがない、砂を噛むような生活になります。
完璧に仕事をこなす人がいます。
それはすごいことだと思う。
プロだから当たりまえって言えば当たり前ですけどね。
仕事ですから。
でも、どんなプロでも完璧と思われる仕事をすることはなかなかできません。
さらに、日常の生活でも完璧を目指していたら、息苦しくなります。
完璧主義に陥るとそれが他人にも伝わる。
そうするとなんだか近寄り難い人になっていってしまう。
完璧な人間はいないのに、それを演じているから、人間味が薄れて敬遠されてしまうのです。
でもやわらかい雰囲気で、ちょっとダメなところもあったりすると、人は親しみを感じます。
無意識に自分と同じだな、似ているところがあるな、そう感じてもらえるから。
親しみを感じてもらえないと、会いたいと思わないですよね。
また会いたいって思う人って、ちょっとダメな部分もあって人間味のある人なのです。
会っていても息が詰まるような雰囲気にはならないから。
いい加減っていうのは、他人をラクにしてくれるのです。
それは「余裕」とか「遊び心」につながると思う。
自動車のハンドルに「遊び」がなかったら、とっても危険です。
それと同じで、人間に「遊び」がなかったら、危険なのです。
完璧を目指し、真面目な人は、ストレスが多いはずです。
そして多くの病気の原因は、ストレスだと思うから。
危険でしょ。
「いい加減」くらいがちょうどいいのです。
だって「いい」加減なんだから。
ムダ話がコミュニケーションの基本
ボクは年間100回以上講演やセミナーをしています。
その講演やセミナーの内容は、けっこうムダ話が多い。
というか、ムダ話がない講演やセミナーというのは、そもそも面白くないと思う。
マーケティングの話しばかりだと、息が詰まってしまいます。
聞いていて面白いとか聞きやすいっていう講演は、ムダ話が多いのです。
だから、価値のある講演をしたかったら、ムダ話をどう入れるかがとっても重要になってくるのです。
ムダ話って、とっても価値があること。
それは確信している。
たとえば、仲間たちと飲んでいてムダ話をしているときに、とっても面白いビジネスのヒントやアイデアを思いついたことってありませんか?
誰もがそれは体験していることだと思います。
もしかするとビジネス上の素晴らしい発明や発見は、会議室じゃなく「ムダ話」から生まれたんじゃないだろうか。
そう思えるくらいです。
「いい加減」っていう言葉は決してネガティブな言葉ではなく「ほめ言葉」。
ゆるゆるでちょうどいいくらいなのです。
そんなにがんばらなくていいと思うんですよね。
講演が終わて、りんさんたち塾生と懇親会をしながら考えていたのは、概ねそんなことだ。
藤村 正宏
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