人はあなたの言いたいことは聞きたくない
最近、つくづく思うんですけどね。
人は、「あなたが言いたいこと」なんて、あんまり聞きたくないんです。
「自分が知りたいことだけ知りたい」。
それが、ふつうの人間です。たぶん、僕も、あなたも。
たとえば。
お腹がペコペコのときに「最近の火星探査について話したいんだけど…」って言われても、ぜんぜん頭に入ってこないでしょ?
今、知りたいのは近くにおいしい蕎麦屋があるかどうか。それだけ。
「情報」って目に入るようで入ってない
脳みそって、意外とシャイなんですよ。
全部の情報を受け止めてたらパンクしちゃうから、「これは必要、これはいらん」って、自動でフィルターかけてるんです。
たとえば僕、ゴルフにまったく興味がないんですけど、
東京に30年住んでても、ゴルフショップがどこにあるか、ひとつも思い出せません。
「たぶん銀座あたりに1軒くらいあるんじゃない?」って、適当な感じ。
でも、ゴルフ好きの友だちは違いますよ。
「神田のあの角を曲がったところに新作のパターが入荷したんだよ!」って、鼻息荒く教えてくれたりする。
興味がないと看板さえ見えない
これ、ほんとにそうで。
ペット飼ってる人は、家のまわりのペットショップ、動物病院、美容室までちゃんと把握してる。
「この道の角を左に行くとトイプードル専門のカットが得意なとこあるよ」なんて詳しい。
でも僕みたいにペットを飼ってない人は、「え?この道に動物病院あったの?」って、驚くくらい記憶にない。
見てるようで、見てないんです。
あふれる情報 見られないあなたの投稿
情報って、いまや「洪水」どころか「宇宙」みたいな量です。
チラシ、POP、ポスター、看板、ウェブサイト、SNS、DM、LINE、ストーリーズ…
あらゆるところから「伝えたい!」って声が飛んできてますけど、
人間はそんなにヒマじゃない。
だから、「あなたのこと」や「あなたの商品」が選ばれないのは、悲しいけど自然なこと。
だって、見てもらえてないんだから。
じゃあ どうする?
それはもう、**「相手の関心に寄り添う」**しかないんです。
たとえば僕のTikTokやインスタやnoteは、
基本、経営者やビジネスパーソンが読んでくれてます。
だから「売上をあげるには?」とか、「SNSの使い方」とか、ちゃんと関心に寄せた話題を発信してる。
「伝えたいこと」をただ叫ぶより、
「聞いてもらえる形」にしないと、届かない。
関心は、入り口
興味っていうのは、「見てくれる扉」みたいなもの。
いきなり「この商品の素晴らしさを知ってくれ!」じゃなくて、
まずは、「あ、それ、ちょっと気になるな」って思ってもらうこと。
たとえば、お味噌を売ってるなら「この味噌、老舗ですごいんです!」じゃなくて、
「これでおにぎり握ったら、なぜか泣いた」という投稿の方が、手が止まるかもしれない。
そっと言葉を置いておく
伝えたいことがあるのは、すばらしいことです。
でも、それを聞いてくれる人の耳を見つけるのが先なんです。
関心に寄り添って、
そっと言葉を置いていくような、そんな発信をしていけたら、
きっと「伝わる」っていう奇跡に、出会えると思うんです。

藤村 正宏

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