あなたの好きなお客さまってどんな人?
SNSって、けっこうすごい時代になってきたなぁと思うのは、
「いいお客さま」を自分で選べるようになったこと。
たとえば昔は、どんな人がお店に来るかなんて、まったくわからなかった。
商店街の八百屋さんだったら、近所のおばちゃんも来れば、ちょっと横柄なおじさんも来る。
どんな人が来ても「ありがとうございます」って言って、笑顔で対応してた。
それが「商売」ってものだった。
でも今は、SNSがある。
たとえば、あるパン屋さんが毎朝「今日の焼きたてクロワッサンです」って写真と一緒に投稿してたとする。
その投稿に「おいしそう〜!」「明日行きます!」って反応してくれる人がいたら、もうその人とはつながりができてる。
「この人は、うちのパンのこと、好きなんだなあ」ってわかる。
つまり、「うちの商品が好きな人」=「いいお客さん」が、自然と集まってきてくれるんです。
逆に、嫌なこと言ってくる人とか、価値観がまるで合わない人とは、無理して付き合わなくてもいい。
それって、精神衛生上もすごくいい。しあわせなことだと思うんです。
そしておもしろいのが、
「まず、つながる」
「そこで好感や共感が生まれる」
「そのあとに、商品が買われる」
っていう流れ。
これって、いわゆる“モノを売る”っていう考え方とは、まるで逆なんです。
つながりの経済って、こういうこと
たとえば、小さな町のカフェ。
「今日のシナモンロール、いい感じに焼けました」とか
「このマグカップ、実は友だちの陶芸家が作ったものなんです」とか、
店主が毎朝、SNSにポツポツ投稿してる。
特別な宣伝じゃない。
でも、その言葉にちょっとずつ「いいね」がついて、コメントが返ってくる。
「うわー、おいしそう!」
「カフェの空気感が好きです」
「そのカップ、ほしい!」
そんな声をくれる人たちは、もう「お客さま」ってより「知り合い」みたいなもの。
そしてそのうち、ふらっと店に来てくれて、
「シナモンロール、SNSで見ました〜」って、笑いながら注文してくれる。
それって、チラシや広告では生まれない関係なんです。
まずは“つながる”。
そこで“好感”や“共感”が生まれる。
そして“買ってくれる”。
これが、「つながりの経済」ってやつなんだと思う。
「このお店、好き」
「この人の考え方、共感する」
そんな感情の延長線上に、コーヒーやケーキの注文がある。
カフェの空気も、味の一部。
だから、関係性まで含めて“味わう”ってことなんだろうなあ。
「お客さま」っていうより、「友だちみたいな人たちが買ってくれる」っていう感じ。
ちょっと変に聞こえるかもしれないけど、そういう関係って、すごくいい。
「お客さまは神様です」っていう考えも昔はあったけど、
これからは「お客さまは、友だちです」の方が、ずっと自然で、あったかい。
そういう関係を育てていけるのが、SNSのいいところ。
もし「そんなの現実的じゃない」って思ったとしても、
今の時代、そういう関係から生まれる“商い”が、じつは一番強いんです。
SNSって、フォロワーの数じゃなくて、つながりの深さ。
それを忘れずにいたいなあ、って思うんです。

藤村 正宏

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