『アヴィニョンの娘たち』を描いたからピカソが美術史に残る天才になった

パブロ・ピカソ『アヴィニョンの娘たち』<1907年>

ピカソって知ってますよね。
言わずと知れた天才アーティスト。
どうして天才って言われているか、知っていますか?
実は『アヴィニョンの娘たち』っていう作品を描いたからなんです。
この絵画はただの美術作品じゃないんですよ。
絵画界を揺るがした“革命”と呼ばれるものなのです。

『アヴィニョンの娘たち』は、バルセロナのアヴィニョン通りにある売春宿を舞台に、そこで働く売春婦の女性たちを描いたものです。しかし、この絵のすごさはその題材じゃない。
遠近法も陰影も完全に無視し、それまでの西洋絵画の常識をことごとく覆したこの作品。
まさにキュビズムの原点と言われています。
この絵が発表された当時、世間の反応は大炎上そのもの。
「こんなの絵じゃない!」という非難の嵐が巻き起こりました。
一方で、「これは新しい芸術の始まりだ!」と絶賛する声も少なくなかったのです。
結果的にどうなったかというと、この作品がいかに革命的であったかは、その後の現代美術が証明しています。
よくこんな斬新な発想が生まれたものだと感心せずにはいられません。
ピカソのとてつもない「創造力」があったからこその偉業です。

この「創造力」、ビジネスの世界でも求められる力ですよね。
特に現代のように、先行きが不透明で想定外のことが起きる時代、過去の延長線上のことだけをやっていたら、繁栄は無理です。
未来のビジネスで成功するには、この創造力が欠かせないと思うのです。
でもね、創造力とはゼロから何かを生み出す力ではない。
最初は誰かの真似から始めて、自分らしさを加えていく。
そして、何か別のものと組み合わせたり、編集し直したりする。
こうした「編集力」こそが、真の創造力なんです。

実際、この『アヴィニョンの娘たち』はアフリカ美術の要素を取り入れています。3人の女性の顔を儀式用の仮面に似せて描いている。
さらに先輩画家のポール・セザンヌと同時代のアンリ・マティスから大きな影響を受けています。
セザンヌの幾何学的な形態と空間の扱いは、ピカソのキュビスム発展に重要な役割を果たしました。
一方、マティスとの競争関係は、ピカソの芸術的革新を促進していきました。1906年、ピカソはマティスの《生きる喜び》への返答として《アヴィニョンの娘たち》の制作を開始し、これが近代美術の新たな方向性を示すことになったんです。
マティスとの芸術的競争の中で、前衛的な表現を追求した結果、20世紀美術の新たな方向性を示す転換点となったわけです。

現代のビジネスシーンにおいても、私たちはピカソの『アヴィニョンの娘たち』から学ぶことがたくさんあります。

何かを組み合わせ、編集し、新しい価値を作り出す力。
これが、これからのビジネスで必要不可欠な「創造力」です。

あなたなら、どんなアイデアを組み合わせて、新しい革命を起こしますか?
ピカソが生み出した『アヴィニョンの娘たち』のように、世界を変える「創造力」をぜひ自分のものにしてください。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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