遊び心を忘れないこと パリオリンピックのブレイキンを観ていてそう思った

新しいオリンピック競技「ブレイキン」

パリオリンピックが終わりました。
毎日、朝方まで中継を見ていたので、寝不足です。
きっとそういう人多いですよね。
でも楽しかった〜
日本選手の活躍も嬉しかったし、本当にいい時間を過ごさせてもらいました。
開会式も閉会式も、本当にフランスらしい演出で楽しめたし。
最後は、トム・クルーズが登場して、4年後のロサンゼルスオリンピックに向けての演出。
かっこよかったね。

今回の五輪では、新たに追加された競技がいくつかあり、その中でも特に注目を集めたのが「ブレイキン(ブレイクダンス)」。
ダイナミックでクリエイティブなパフォーマンスが繰り広げられ、多くの観客を魅了しましたよね。
日本の選手も大活躍でした。
女子のブレイキンではAMIが金メダル!
初代女王に輝いた。
カッコよかったですよね。

男子もShigekix選手が3位決定戦で敗退して4位になりましたが。
すごいテクニックを披露してくれました。
テクニックでは間違いなく世界最高峰です。
昨年の世界選手権で優勝している実力ですからね。

準決勝でカナダのフィル・ウィザードに0-3で敗戦。
技術性、完成度、音楽性は評価されたものの、多様性、独創性のポイントでウィザードが大きく上回った。
3位決定戦もShigekix選手は技術性では3ラウンドとも上回りました。
多様性は五分、独創性、音楽性、完成度でビクターに負けていた。

それでも、スピード感あふれる動きで観衆を魅了しました。

こんなにすごいテクニックだから、僕はShigekix選手が勝ったと思っていた。
でも、判定基準はテクニックだけじゃないんですね。
それで色々と調べたら、面白いことに気づいたのです。

それはもう一つの「身体表現」競技、体操競技との比較です。
体操競技もその精緻さと美しさで視聴者を引き込みます。
これら二つの競技は、一見対照的な要素を持っているけど、どちらも「身体表現」という点で共通していますよね。
でも、判定基準は違います。
それでふと、思ったのです。

「ブレイキンはジャズで、体操はクラシック音楽なんだ」

そういうこと。

ブレイキンは、「ジャズのインプロビゼーション」に似ていると思ったわけです。
音楽に合わせて瞬時に動きを作り出す即興性が非常に重要。
競技者たちは、観客と音楽からインスピレーションを受け、自由に自分のスタイルを表現します。
技術の高さはもちろん重要ですが、それ以上に、独自のクリエイティビティや表現力が求められる点が特徴的です。
だから正確さより「物語性」「いいかげんさ」「ノイズ」などなど、遊び的な雰囲気も重要な判定ポイントになる。
ジャズの即興演奏が、その場の雰囲気や感情を即座に音楽に反映させるのと同様に、ブレイキンもその瞬間の感覚を大切にする。
この即興性こそが、ブレイキンを特別な競技にしている要素なんでしょうね。
もうスポーツというよりカルチャーです。

対して、体操は、「クラシック音楽」。
体操選手たちは、長い時間をかけて磨き上げたルーティンを披露します。
技の一つ一つが正確に、そして美しく演じられることが求められる。
そのため、細部に至るまでの計画と練習が不可欠。
クラシック音楽が厳格な楽譜に基づいて演奏され、完璧な調和を目指すのと同様に、体操競技も完璧な技術と姿勢が高く評価されるわけです。
これは、ブレイキンとは対照的に、確立された美意識と正確性が重んじられる競技でしょう。

ブレイキンと体操は、同じ身体表現でありながらも、そのアプローチや評価基準が大きく異なるわけです。
ブレイキンが自由で創造的な即興の芸術であるのに対し、体操は正確さと美しさを追求する完成された芸術なんだな。
あ、スポーツだけどね。

「スポーツを通して平和でよりよい世界の実現に貢献する」
近代オリンピックの父、フランスのクーベルタン男爵の思想でした。
最近のオリンピックは従来のテーマである「スポーツ」のほか、「文化」や「環境」が加わるっていますよね。

パリオリンピック、とても良かった。
選手の皆さん、関係者の皆さん、そして応援していた、あなた。
おつかれさまでした。

【ブレイキンの参考にしたサイト】

[1] ブレイキン・SHIGEKIX、技術は「最高峰」でも4位…ジャッジには … 

[2] ブレイキ ン 岡村隆史は採点に首ひねる「僕のジャッジでは勝ってた …

[3] ブレイキン男子 「Shigekix」半井重幸 3位決定戦で敗れ4位 

[4] ブレイキン4位、SHIGEKIXのインタビューにネットも涙腺崩壊

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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