兵器輸出を解禁！日本の防衛産業が今熱くなっている

「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定

あまり話題になりませんでしたが、12月22日に、政府は国家安全保障会議と閣議で「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定しました。

今まで殺傷能力がある兵器は、海外に輸出することを禁止していたんだけど、今度から、ミサイルや弾薬みたいな本格的な武器も他の国に売れるようになるってことです。
外国の技術や特許を使って日本で作った兵器も、作った国に送り返すことができるようになった。

＜参考：NHKニュース＞
「防衛装備移転三原則」の運用指針改正 PAC3を米へ輸出も決定

例えばパトリオットミサイル。
このミサイルは、アメリカの技術を基に、日本でライセンス生産をしている。
この完成品を、アメリカに輸出することができるわけです。
今、アメリカはウクライナにパトリオットミサイルを供与していて、国内の備蓄が足りなくなっている。
そこで日本に、売ってくれと申し入れしたんです。
それが可能になった。
もしかすると、そのパトリオットミサイルは、アメリカ経由でウクライナに送られるかもしれないってこと。

これは賛否両論が巻き起こりました。
新聞の論調は分かれました。

反対は「朝日新聞」「毎日新聞」
賛成は「読売新聞」「産経新聞」
やや賛成「日経新聞」

反対意見の趣旨は、殺傷兵器輸出がなし崩し拡大される。
それは許されない。
そんなことですが、何が言いたいんでしょうね。
今科学兵器使ってるロシアに、このままもうウクライナ好きかってに攻撃させろってそういうことなんですかね。
そこで「話し合いが」とか言うんですけど、話し合ってる間に攻撃してくるのがロシアなんです。
現実を見ていないんと思う。
パトリオットの例のような玉つき輸出が、国際紛争を助長することを懸念。
ウクライナの防衛支援になることにも、否定的評価に見えるって言っています。

そんなことないわけで、ウクライナの防衛支援になりますよね。
だってこの2週間で、ロシアの戦闘機8機も撃墜しているんですよ。
なんでこれ支援ならないのって感じです。
ウクライナが戦争を始めたんじゃないんですよ。
ロシアが力で一方的に侵略したんですから。

読売新聞や産経新聞は賛成という社説を出しています。

国際秩序の維持に貢献
日米同盟進化に繋がる。
間接的なウクライナ支援になる点を評価。

反対派の意見は、武器の輸出は国際紛争を助長するというものです。
そりゃパトリオットミサイルをロシアに輸出したら、助長するよね。

でもね、現段階でアメリカに武器を輸出することは、国際紛争を助長することではなく、逆に国際紛争の助長を防ぐことになるんですよ。

さらに、このニュースには、日本国民よりもロシア政府がいち早く敏感に反応しています。

＜参考：テレ朝NEWS＞
日本が米へ迎撃ミサイル「パトリオット」輸出　ロシアが警告

日本政府が迎撃ミサイル「パトリオット」をアメリカへ輸出することを決めたことについて、ロシア外務省は日ロ関係に「重大な結果」をもたらすと警告しました。
ということは、それはロシアにとって、ものすごく困るってことですよね。
だから、僕はいいことだと思うのです。

日本製の兵器は世界トップクラス

今、防衛産業に参入する企業が増えているそうです。

ミサイルだけでなく、航空機、戦車、兵員装甲車、潜水艦、洋上救助艦、など、日本が作る兵器は世界トップクラスなんです。
日本は世界有数の高い技術で国防を支えているにのにも拘らず、日本の防衛産業は危機に瀕していました。

ビジネスとしては、多くの企業が赤字になるかならないかくらいのところを推移するような状況。
いかに生産ができるように続けていくか。
それが一番苦労するところだそうです。
その大きな理由は受注先がほぼ自衛隊だけに限られているってこと。
でも、自衛隊からの受注は数年に1度しかない企業もある。
その間も設備や技術者を維持するなど、コストがかさみ、利益が出ない構造になっていた。
そのため日本の防衛産業に関わる企業は直近20年で100社以上が撤退したそうです。
これは防衛の危機的な状況になる。
そう思った政府は5年間の防衛費をこれまでのおよそ1.5倍の43兆円に増額。
国内の防衛産業の支援を次々と打ち出しているわけです。

三菱電機が開発する、ミサイルや戦闘機を探知するレーダー。
高い技術が認められ今年10月にはフィリピン軍向けに、警戒管制レーダーを輸出しました。
契約金額は4基でおよそ1億ドル。
日本円にして140億円以上。
現在のルールの元では日本初となる完成装備品の輸出となりました。

いずれにせよ、イスラエルとパレスチナの戦争の影に隠れて忘れられがちですが、ロシアが一方的に侵略したウクライナ戦争は、まだまだ終わりが見えない状況です。
1日も早く、ロシアが撤退し、ウクライナに平和が訪れることを祈っています。
だって、もしロシアが勝ったら、世界全体が暗黒の時代に突入するのですから。