景気は「気」だから人々の心で変わるんだ
先日、石川県の金沢で、講演をしました。
保険業界の団体、MDRTの北陸の会の研修会でした。
エクスマの基本、SNSでのつながりの経済の話。
保険の営業で重要な要素は「あなたに相談したい」という状況を創出すること。
そのために専門知識も大切だけど、一番大切なのは人柄だよね。
信頼できる、好感を持てる、そういうことなんだと思うのです。
日頃から「縁」を大切にする生き方をしている人か、いい営業。
そう思うのです。
僕の後に講演された、投資やお金の専門家の菅井敏之さんの話も面白かった。
日本人のタンス預金は109兆円もあり、それは国家予算と同じくらいの金額。
来年2024年7月からの新札の切り替えは、そのタンス預金を外に出すことが目的。
資産というのは3種類ある。金融資産、不動産、ビジネス。
インバウンドが増えると、人々の見える風景が変わり、それによって景気に良い影響が出る。
景気というのは「気」という文字が入っているように、周りの雰囲気や人々の心の持ちようで、よくもなったり、悪くもなったりするものです。
だから世の中の人たちみんなが「景気いいな〜」って思うと、実際の経済も良くなっていく。
逆に「値上げばかり続く」「ガソリンが高くなった」「インフレになっている」そんなニュースばかり聞いていると、防衛本能が働き、お金を使わないようにしようという気分になって、どんどん不景気になっていくのです。
菅井さんの話を聞いていて、北海道の上富良野町にある外国人に人気の食堂の話を思い出しました。
ガイドブックにも載っていない食堂に連日外国人がやってくる
1958年創業の「第一食堂」
普通の食堂です。
今、この食堂に外国人のお客さまが毎日のようにやってくる。
女将さんも「なんで、外国人が来てくれるんでしょう?」と首をかしげているそうです。
旅行ガイドブックにも載っていない、北海道の小さな町の小さな大衆食堂に、世界中から観光客が続々と訪れているのは、SNSのおかげ。
この食堂が「富良野に行くのなら、この食堂に行かなきゃ」っていう口コミがSNSでたくさん拡散されていて、外国人観光客が訪れ、それでまたSNSに投稿する。
その連鎖がこの現象を作り出しているんです。
もちろん、料理も美味しいだろうし、おもてなしも心がこもっているんでしょうね。
あのラベンダーで有名な観光地の富良野から、車で30分もかかる、本当に田舎にある、一食堂です。
始まりは6年前のある日。
韓国の人の観光客が訪れましたl。
「僕たちはきょう帰るから、3万ウォン(当時 約3000円)で、ご飯を食べさせてくれませんか」
日本のお金を持っていなかった。
気の毒に思った女将さんが、おなかいっぱいの料理でもてなしたところ、大喜び。
上富良野では両替できる場所がなかったんですね。
インバウンドって言うと、京都や浅草や箱根、有名観光地ばかり注目され、地方都市や田舎では無理って思うかもしれません。
でも、この「第一食堂」をみていると、どんなところでもチャンスはあるなと思う。
ちょっとしたきっかけで、外国人観光客に人気になって、口コミが起きるかわかりませんよね。
最初から諦めないで、インバウンドの対応、どんなことが考えられるか、妄想してみるのも面白いですね。
これからさらに外国人観光客が増えます。
それだけでいつもの風景が変わっていく。
それでみんなの心も変わり景気がよくなっていく。
そうなればいいな。
金沢での講演が終わった後、考えていたのはそんなことだった。
<第一食堂が取り上げられたテレビ朝日の記事>
雪国の“人情女将”小さな町の食堂に…外国人が続々!きっかけは6年前の“3万ウォン”
藤村 正宏
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