伝わってないな〜と思う広告が多い
全然効果がないだろうな、って思う広告があります。
TV-CMでも、駅の中の広告でも、電車内の広告でも、そんな広告、かなりある。
そのたびに「お金が余っているのかな?」「利益が出過ぎて税金対策?」などなど、思いを巡らせてしまう。
それとも単に勉強不足なのかもしれないけどね。
ま、百歩譲って、そこの企業が納得してやっているんだから、いいんですけどね。
でもね、中には許せない種類の広告がある。
予算が税金から出ているような公共のコマーシャルの場合。
これは問題ですよね。
まったく伝わっていないものを見るたびに、いかがなものかと思う。
無駄な税金を使っている感じ。
広告代理店の言いなりになって、効果のないプロモーションにお金をかけてしまう。
こういうことってないですか。
たとえば数年前の、とある県のコマーシャルもそうでした。
その県に観光客を呼ぶのが目的のCMだったんですが、あのコマーシャルを見て、その県に観光に行こうと思った人って、いたんだろうか?
そう思わせるCM。
温泉と方言がテーマ。
よくわからないCM。
かっこいいCMではあったけど、イメージだけで、別にその県に行こうと思わない。
たぶん・・・、というか絶対に効果がなかったはずです。
調べてみたら、やっぱり観光客は増えていなかった。
前年と同じだった。
やれやれ。
制作費とオンエア料で2億5000万円。
県民や国民の税金をそんなに使ったんです。
それで効果なし。
2億5000万円は、まったくの無駄金とは言いませんが、ま、・・・ムダだったわけです。
それだけ予算をかける覚悟があるのなら、もっと他の方法があったのにね。
SNSを活用して県の観光モニター
2億5000万円も予算があるんだったら、TV-CMという選択肢ではなく、SNSのシナリオを考えたほうが、効果あると思う。
SNSで県の観光客モニターを募集する。
条件は県外に住所のある人。
県内の旅館・ホテル・観光施設・土産物屋などで使える、1万円の金券がもらえる。
家族4人でモニターになったら、4万円もらえる。
要は観光客に来てもらって、県内でお金を使ってもらおうってシナリオ。
応募があった人の住所に金券を郵送する。
金券は県に来ないと使えない。
期間限定。
もちろんモニターはSNS、InstagramやTwitterやTikTokで募集する。
郵送だから住所氏名も集まる。
この方法で、モニターを1万人集める、これで1億円かかる。
ランディングページ作成と、ソーシャルメディアのプロモーションに3000万円。
ポスターや金券、カタログやパンフレット作成、郵送費、雑費などに7000万円。
これで2億円。
SNSのスタッフを5名雇って、県内を取材して発信、交流してもらう。
その人件費や経費に一人1000万円としても5000万円。
集まった住所にアフターフォローして、県の特産品を通販する。
こういうふうにやれば、予算は同じ2億5000万円。
どう考えても、効果のないTV-CMに2億5000万円かけるより、観光客は増えるでしょう。
おまけに、その後のアフターフォローの仕方では、県のファンをたくさんつくることができるはずです。
毎年こういうシナリオを実施し、ファンを作っていく。
もし顔の見えているファンがたくさんいたら、いろいろなことができますよね。
県が主導で県内の名産品を、全国に通販する仕組みを作ったり、ファンだけの特典ツアーを企画したり、さまざまなリアルのイベント、ソーシャルのイベント、観光政策ができる。
あくまでも、案だから。
これがベストっていう意味じゃないけど、ボクがもし2億5000万円の予算を使うのなら、こんなことするかも。
そのほうがTV-CMをやるより面白い展開ができると思うし、効果があると思う。
でも、きっと、こんな荒唐無稽なこと、どこもやらないと思うけどね。
手間がかかってしまって、効果が出るのがじわじわだし、前例もないから。
でもね、本当に新しいことって、前例がないんだけどね。
ともかく、伝わっていないのに、伝わっているような錯覚に陥らないでください。
伝わらないのは、存在しないと同義語なんです。
藤村 正宏
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