もう通用しない手法
最近、Instagramやティックトックで「マーケティングの憂鬱」と言うことを発信してるんだけど、本当に、今の状況を見ると、マーケティングの役割が変わってきているんだろうなと思うんだよね。
以前からそう思っていたんだけれども、ここにきてから、それがさらに必要だと思うようになっている。
SNSが普及し始めた2010年くらいから、従来のマーケティングの限界みたいなことを感じていた。
マーケティングっていうと、ある種の「いかがわしさ」を感じる人も多い。
「人々の心を操作する」ようなものだと考えられているから。
「こんな言葉を使って、あんなキャンペーンをやって、こういうランディングページを作ったら、みんなこうなるだろう」的な感じね。
確かにそういう側面があるのも事実。
人々を撃ち落とすための「的」と捉えるターゲティング手法。
お客様一人ひとりを個人として認識するよりも、数字、データとして捉え、射撃の的(マト)のように設定する。
(お客を撃っちゃダメだろ。乱射事件か?)
人々を攻略するための「戦略」思考。
顧客をリピートさせる「囲い込み」。
(誰もがみんな囲い込まれたくないよね。)
必要のないものを売れるようにするためのマーケティング。
(エスキモーに氷を売るような話はダメだよね。)
競合他社と戦う「VS思考」。
「戦争用語」をなんの躊躇いもなく使うんだよね。
普通になってしまって、おかしいとも思わない。
普段から臨戦体制になっているわけ。
某外食チェーンの有名なマーケッターが若い女性客を獲得するために、「シャブ漬けにして・・・」などと乱暴な発言をして、レッドカードで一発退場していきました。
顧客視点の欠如のマーケティング。
消費者を完全に馬鹿にした表現の数々。
優秀なマーケッターだったようですが、昔からの古いマーケティング思考が抜けないんだね。
(というか多分スマホとかSNSをあまり活用していなんだと思うな。)
昔から違和感を感じていた
僕は2001年に最初の本を出版した時から、従来のマーケティングに違和感を感じていた。
人間は常に合理的に判断して動くことを前提にしたのが従来のマーケティング
需要と供給
品質が同じなら安い商品を買う
値段が同じなら品質が良い商品を買う
人間は理性でものを買う
そういうロジックのマーケティング。
ところが実際には、しばしば非合理的なことや無駄なことをするのが人間だよね。
あなたもあるでしょ?
どうせ食事をするのなら、友人が経営しているレストランを選ぶ。
セブンイレブンでも、感じのいい店員さんがいるセブンイレブンで買うとか。
道端でお花を売っている人がいたとします、とても可憐な女性が売っている場合と太ったおっさんが売っている場合。
どっちで買うか? 僕は女性の方を選ぶ。(ごめん、差別だよねこれって)
とまれ、人々は合理的な考えだけで消費するわけではないということ。
人は心を持っている。
だから感情が消費に大きく影響するんだよね。
そして現代はスマホとSNSの普及で、今まででは考えられない「縁」が増えている。
人々は自ら、たくさんのつながりを作っているのです。
そのつながりに価値を見出し、人々の心に目を向けたマーケティングをしていくことが最優先なんだと思う。
藤村 正宏
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