仕事は辛くて厳しいもの「24時間戦えますか?」の時代からメンタリティが変わってないから日本経済は30年間成長していないのです

日本人の平均年収が30年間変わっていない

先日の日経新聞に、日本人の平均年収がこの30年間変わっていないって記事がありました。

日本の年収、30年横ばい 新政権は分配へまず成長を
<会員記事だったらすみません>

イギリス、ドイツ、アメリカなどの他の先進国が確実に上がっているのに、日本だけは1990年以来変わっていない。
知っていました?
どんどん貧しい国になっているってことです。

<日経新聞電子版より>


それは仕事の考え方ややり方が変わってしまったのに、それに気づかず、30年間、なんの疑いもせず、同じような考え方でやってきたことが原因です。

経済の環境、働く環境、さまざまなことが劇的に変わってしまった。

例えば「在宅勤務」の考え方もその一つ。
会社に行かなくてもできる仕事は、わざわざ会社に行かなくてもいい。
そういう考え方をできない経営者が多い。

日本の在宅勤務率は30%弱。
他の国に比べると低い。
(アメリカ70%、中国60%など)
昔の考え方のままなんですよね。

「仕事を楽しむなんて不真面目だ」という考え方を変えること

他には「仕事を楽しむ」ってこと。
いつもエクスマ塾やエクスマセミナーで言っていることですが、まだまだ日本の社会には浸透していない。
「仕事は厳しくて辛いもの」
そう思っているビジネスパーソンがとても多い。
(エクスマの周りには少ないですけど)

これも日本人の給与水準が上がらない原因の一つと思われます。
仕事をいかに楽しくするかというのは会社のためにも、重要なことなんです。
「楽しい」っていうと「不真面目」と思う人がまだいるということが、そもそもそこが問題。
楽しいってことは不真面目なことでもないし、楽しむと言ったら遊びのように思うかもしれません。

でも「やりがいがある仕事」っていうのも「楽しい」ってことですから。

どうしても楽しいって思えない仕事もあるかもしれません。
それも「やりがい」って考えてみると、どこかにそれを見つけることができる。
そうしたら、それは楽しい仕事に変わるかもしれません。
そう考えてみることも、無駄じゃないと思う。

もうビジネス観や仕事観を変えるべき時期にきているんだと思う。
やっている人が、ワクワクして、楽しんでいたら、それが共感される時代なんです。
だから、どんなに些末な仕事でも、誰かのためになっていると思えば、楽しい大プロジェクトになるんです。
そういう意識、そういう工夫をしたら、どんどんいい方向に向かっていくと確信します。
同じことを嫌々やっている人と面白がってやっている人では、数年後にはまったくちがうところに行きつくのです。

それに、楽しく上機嫌で仕事をしていると、それが上手にできるようになります。
得意になる。
そうしたら、ますます面白くなっていくのです。
面白くなったら、好きになって、好きな仕事がどんどん増える。
これって仕合わせなことでしょ。

好きな仕事が増えて、好きなコトでご飯が食べられるようになると、豊かな人生になる。

「仕事が楽しい」って言ったら叱られたことがある

以前だったら仕事を楽しむなんてことを言ったら怒られました。

僕は1992年から1999年までラーソン・カンパニー・オブ・ジャパンという日本とアメリカが合併した会社で役員をやっていました。
「取締役企画室長」というのが肩書きだった。

そのときは仕事がすごく楽しかった。
というか、僕は社会人になってから今まで、仕事が苦痛だと思ったことがなくてほとんど楽しい。
その頃も、土日がなくてもいいと思っていたくらい。
今だったら、土日でも家で仕事できるけど、当時はインターネットはあったものの、クラウドはなかった。
同じ環境で仕事をするためには、やっぱり会社に行かなければできませんでした。
だから早く月曜日にならないかと、本当に毎週末思った。
あまりつまらないと思わない性格なんだと思う。
ずっと楽しい。
ラーソン・ジャパンは、水族館や博物館や動植物園をつくる会社だから毎日とても楽しかった。
たくさんのデザインや企画をして、みんなで楽しい仕事をしていました。

喫煙所があって、休憩しながらタバコを吸っているときに、親会社の役員の人がたまたま入ってきて、つまらなそうにタバコを吸いだしました。
そして僕をみて「最近、ラーソンはどうよ?」って聞いてきた。
「めっちゃ、楽しいですよ〜」って答えた。
そうすると、突然、彼は怒りだしたのです。
烈火の如く怒鳴り出した。

「なんだと〜。楽しいだと、そんなこと言ってるからダメなんだ!仕事が楽しいなんて、甘いんだよ。そんなのプロじゃないんだ。どれだけ苦しんだかで、結果が違うんだよ。だいたい、仕事っていうのはな……」

そんな感じでうだうだと説教されました。

僕はマジで可笑しくなって、笑いそうになった。
そして、立場のことを考えた。
「僕の方が若いけど同じ役員だし、ここで反発してもいいよな・・・」

途中で彼の話を遮って、こう言い返しました。
「〇〇さん、分かった!〇〇さんはそうやって一生苦しんでりゃいいじゃん。僕は仕事を楽しむからね。それじゃ!」
そう言って喫煙室を後にしたのでした。

その後、彼と本社で会うたびに
「〇〇さん、お疲れ様です、今日も苦しんでる?」
「うるっせなあ」
などとジョークを言える間柄になった。

昔ってそういう時代だったんですよね。
仕事は厳しいもの、24時間戦えますか?
そんな時代だったんですよね。

もうあの時点(1995年くらい)から世の中が大きく変わっていたのです。
それに気づかず、「24時間戦えますか?」というメンタリティから抜け出せず、いまだに仕事は苦しむものだと思っている。

だから日本経済は30年間成長していないのです。
他の国の給与水準がどんどん上がっているのに、30年前と変わっていない。
そういうことなんだよなって思うのです。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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