人は単純に消費するのが好き
コロナ禍で、日本人はあまり消費しなくなりました。
貯蓄率が過去最高までに高まっています。
将来が不安だから、お金を手元に残しておこうと考える人が多い。
そして、緊急事態宣言でお金を使う機会がなくなって、あまり消費しなくなり、お金を使わなくても割と豊かで仕合わせな暮らしができることに気づいた人も多い。
だからコロナが完全に消え去ってからも、前のような消費に戻ってくるのは、少し時間がかかるかもしれません。
でも、大丈夫です。
人間には消費欲求というのが確実にある。
これはもう、本能的と言ってもいいほどの欲求です。
ボクも突然、お金を使いたくなることがあります。
先日も書店に行って本を20冊くらいまとめ買いしました。
パルコやマルイに行って、服を何十万円分も買ったこともあります。
オンラインで配信するために性能のいいマイクを買ったり、いい機材も買った。
多くの人には、本能的な「消費欲求」みたいなものがあるんですよね。
悪いことじゃないと思います。
そういうことで、経済は回っています。
だからお金がある人はもっと積極的に消費してほしいって思うのです。
人間には3つの消費欲求がある
消費っていうものについて考えてみました。
人間の消費欲求には段階に応じて3つあると思うんですよ。
1:欠乏欲求
これはわかりやすい欲求です。
欠乏した欲求を満たすのはカンタンです。
おなかがすいたから、食べモノ。
寒いから、服。
クルマが動かないから、ガソリン。
風邪をひいたから、風邪薬。
雨風をしのぐために、家。
「ニーズ」を満たすことです。
カンタンだから、たくさんの店やたくさんの大手企業が参入しています。
商品をモノとしてい売っているから、価格競争になりやすい。
そういう特性をもっています。
だから売るためには、価値を高めて売る方法を考えることが大事です。
特典をつける。
期間限定にする。
販売数を限定にする。
他の商品と組み合わせて価値を高める。
売る場所を考える。(山頂の自動販売機のペットボトルの水は400円だったりする)
パッケージのデザインを考える、などなど、価値を高める工夫をしましょう。
2:価値欲求
これは欠乏欲求にさらに付加価値を求める欲求です。
同じ服を買うなら、おしゃれなもの。
どうせ食べるのなら、美味しいもの。
時計を買うなら、ロレックス。
住むんだったら、広くて居心地のいい家。
移動するのなら新幹線のグリーン車。
そういう欲求です。
より質のいいもの。
よりこだわったもの。
ブランド品が売れるのは、こういう欲求。
ある程度、安売りしなくても売れる欲求です。
価値をさらに高めて、物語やエピソード、お客さまの声などを使うと、その価値が伝わりやすくなります。
価格競争で売ることはしないことです。
マーケーッターの中には、こういう欲求を「ウォンツ」と呼ぶ人もいます。
3:喚起された欲求
この欲求はニーズでもなくウォンツでもない。
なんて言えばいいのか、ちょっとわからないんですけど、あまりこの欲求のことを言っている人がいないから。
でもね、現代の消費者を相手にするためには、この欲求を刺激することが大切なんじゃないかなと思うんですよ。
潜在的な欲求を呼び起こす。
だって、現代の消費者は、自分が何が欲しいかを知らない場合が多いのです。
自分の気づいていない欲求そのものに気づかせてあげて、購買してもらうということ。
必要ない、欲しいとも思わないモノを、欲しいと思ってもらって、買ってもらう。
「あ、こういうのが欲しかったの~」って言ってもらえる欲求です。
たとえば、あなたがいつも服を買っている渋谷パルコのコムデギャルソンのブティックで、その店の店長の川久保さんが
「これちょっといいでしょ? かっこいいですよ〜」
と言って商品をもってくる。
自分じゃ、絶対に選ばない色のジャケットや、かっこいい靴が意外に似合ってしまったとき。
もう値段は二の次で買ってしまうのは、この3番目の欲求に気づかされた結果なわけです。
で、この欲求を喚起するため、何が必要かというと
【情報】と【関係性】なんですね。
「あなたは、これ欲しいでしょ?」
それを伝える。
これが【情報】です。
そして、その情報を信頼できるものにする。
【関係性】
それが大事なんです。
ある意味お客さまを、誘惑するのです。
お客さまの欲求に火をつける。
魅惑する消費です。
消費欲求に合ったシナリオが大切
こういうふうに、人間には種類の消費欲求があることを理解して、分けて考えてみる。
自分の商品はどれに当たるのか。
それぞれ売り方がちがいますから。
あなたのビジネスに照らし合わせてみてください。
きっと、気づくことがたくさんあります。
藤村 正宏
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