エクスマ塾101期での気づき
エクスマ塾101期の4回目でした。
関係性の話をしました。
エクスマでは以前から、つながりや関係性を重視しています。
「新規のお客様より、おなじみさんを死ぬほど大切にしよう」
ずっとそう言ってきました。
既存のお客様向けに、ニュースレターやお手紙を定期的に発行することなどを推奨していました。
おなじみさんを大切にするのは商売の基本ですよね。
おなじみさん、リピーターが多い店、商品、会社は繁盛しているのです。
そして時代が進み、SNSがその役割を担えるようになった。
現代は、多くの人が自分のことを情報発信できるものを持っています。
そしてその影響力は数年前とは比べものにならないくらいになっています。
ほとんどの人がやっているんじゃないかと思えるほどです。
SNSはもはや、社会のインフラになったといってもいいでしょう。
そのSNSで語ってもらうことが大事になっている。
だから、今のエクスマ塾ではSNSに力を入れているのです。
SNSは人々とゆるやかな関係性を紡ぎだすために、とてもいいツールです。
使い方を間違わなければビジネスにとても役立ちます。
まずSNSを使う目的は販売促進だと思わないことです。
販促や広告と同じだと思っていてはダメなんです。
あくまでも、あなたの会社や店や商品、そしてあなた自身に関心を持ってもらい、そんな人たちとつながり、コミュニケーションすること。
それが第一の目的なのです。
まさに関係性を構築すること。
つながりの経済です。
101期の塾生さんからも質問がありました。
それはSNSをやる時間が取れないですけど、どうやって時間を作っていますか?
そういう質問が何個かありました。
もし、SNSで影響力を持ちたい、SNSをビジネスで活用したいと思っているのなら、業務の中でSNSの優先順位を上げましょうってことです。
何かやりたくない仕事や、無駄な仕事をやめて、優先順位を上げることです
1日のうちに30分でも、時間をつくりましょう。
必ずあなたの仕事に役立つツールになります。
コロナ後の世界では、つながり、縁、関係性が大事にな時代になるのです。
エクスマ塾101期で、関係性の重要さに気づいたきっかけになった事例を話しました。
ニコルのサイトウ君の事例です。
ブログを調べたら、この事例のブログを書いていなかった。
書いてあるものだと、勘違いしてました。
本には書いてありました。
それをちょっとリライトしますね。
○○君がいるからあの店で買う
「これからの時代はやっぱり『関係性』だよな」
「『関係性』があれば、安売りしなくてもいいよな」
「リピーターだって『関係性』があるからなじみになってくれるんだよな」
などなど、「関係性」ということを考えるとき、いつも思い出す事例があります。
それは、あるブティックの例です。
ボクは以前、服を買う店は決めていませんでした。
適当に店に入って、そのとき気に入ったブランドの服を、新宿や渋谷の百貨店とか専門店で買っていました。
あるとき、クローゼットに掛かっているジャケットを見ていたら、不思議なことに気がついたんです。
ジャケットの8割くらいが同じブランドだったのです。
「あれれ……? そんなにここの服を買っていたんだ~」
そして、さらにクローゼットを調べたら、ジーンズの8割くらい、シャツも8割くらい、同じブランドだった。
「ニコル」というブランド。
でも、ボクはニコルが特別に好きなわけではありません。
まあ、デザインはけっこう好きですが、とりたててニコルにこだわっているわけでもない。
じゃあ、どうしてこういう現象が起きているのでしょう。
それはニコルのDMのためだったんです。
ボクは時間があまりないので、服を買うときは休日にまとめ買いします。
一店舗で、10万円以上買うこともあるほど。
そうすると、「ああ、この人、まとめ買いするいい客だ」と思われるらしく、店員の方に必ずいわれることがあるのです。
「もしよかったら住所と名前を教えていただけますか。新作のカタログやセールのご案内をお送りしますけど……」
ボクは迷わず書くようにしています。
だってマーケティングの仕事をしているのですから、どういうモノを送ってくるのかが、とても興味があるし勉強にもなるから。
(あなたも、勉強したいなら、面倒くさがらずに書いたほうがいいですよ)
これまでもいろいろなブティックでたくさん住所と氏名を書きました。
ニコル、ジャン・ポール・ゴルチエ、カルバン・クライン、コム・デ・ギャルソン、ワイズ、コムサ・デ・モード……などなど、いろいろ。
でも、すごく不思議なんですが、住所と名前を書いたにもかかわらず、3分の1ぐらいの店は何も送ってきません。
住所も名前も本当のことを書いているのに、不思議です。
送ってきたとしても、たいていは葉書1枚。
それも、「SALE!」って書いてあるだけの葉書。
あるいは、挨拶文なしのパンフレットやカタログ。
「これじゃ、意味ないなぁ」って思う。
ところがニコルだけは違います。
A4の封筒に、すごく大きなカタログが入っている。
そして、必ず手書きの手紙が入っています。
藤村さん、こんにちは!! ニコルのサイトウです(^_^)
今年に入ってから藤村さんに会えずにニコルフェアがやってきてしまいました・・・。
絶対にニコルフェアでは藤村さんにお会い出来ると信じているので来て下さい!
「絶対に」と書かれています、そして「信じている」と書かれている。
ここまで書かれると、やっぱりちょっと行こうかなって思ってしまいます。
しかも、サイトウ君は、追い打ちをかけるように、必ず自分のA4サイズの写真を入れてくるんです。
「ああ、サイトウ君だ」と思い出すわけです。
これを見ると、そういえばそろそろ冬物の服だよな、どうせ買うんだったら、とりあえずサイトウ君のところに行こうということになって、買ってしまうんです。
そして、サイトウ君は毎回DMを工夫しているので、彼からのお便りが楽しみになってくる。
たとえば、夏に届いた「秋冬物」のDMのカタログには、サイトウ君の手書きでボクに勧めてくれている。
ボクがどんな商品を買ったかわかっているから、「これはあのジーンズにも合いますよ」とか、「この間お求めいただいた、ジャケットとコーディネイトしても格好いいですよ」とか、「オススメ」という文字がカタログ掲載されている商品に、サイトウ君の手書きで書いてあるんです。
カタログに手書きっていうのは、それだけでボクのことを考えてくれているんだなと、特別感がある。
もちろん斎藤君直筆の手紙も入っています。
藤村さん、こんにちは!! ニコルのサイトウです。
最近もお仕事は忙しいですか?
天候も変わりやすかったりと体調を崩しやすい時期なので、気を付けて下さいね!
さて、外はこれから夏本番ですが、お店は秋物が続々と入荷しています。
藤村さんに絶対着てほしいセットアップがあるので、ぜひ今月お越しください!!」
そしてこのときのDMのとどめは、「お待ちしています」と大きく書かれた紙を持ったサイトウくんの写真。
サイトウ君は、自分のお客さんに毎回、これだけの情報をきちっと送っています。
普段ボクはニコルのことは考えていないけど、夏物欲しいな、冬物欲しいなと思ったとき、どうせ行くならニコルで買おうと思うわけです。
ここで大切なのは、ボクはニコルの服が特別に好きだから買っているわけではない、ということ。
それなのにいつもニコルで買うのはどういうことかというと、サイトウ君がいるからです。
ボクはニコルとは関係性はつくれないけれど、丸井メンズ館のニコルのブティックにいるサイトウ君とは関係性がつくれている、ということ。
個人とは関係性をつくれる。
だから、個を出すことがすごく大切なことなんです。
個人と個人のつながり。
関係性で売れる時代なのです。
その後、サイトウ君はニコルを辞めて、フリーになりました。
その後、ボクは一度もニコルで服を買っていません。
そういうことです。
どこで買うか。ではなく、誰から買うかの時代になるのです。