今こそ教養が必要な時代
今、教養が求められているんだと思うのです。
時代は革命的に変わっています。
今までの常識でやっていると、その激変する時代に適応できないと言う事態になる。
そんな時代なのに、いまだに古い時代のビジネスを続けている会社があります。
「企業は大きい方がいい」
「未来は予測するものだ」
「より役立つ物を作る」
「スキルやノウハウは絶対」
などなど、もはや化石になったような考え方をしていると、完全に次の時代のゲームに参加することすらできなくなる。
スケールメリットの幻想
インターネット、スマホ、SNSの登場により、大企業と小さな企業の「取り引きコスト」の差があまりなくなりました。
スケールメリットがあまり効かなくなった。
昭和時代、TVの生中継をすることは、莫大なお金がかかり、大きな企業しかできなかった。でも現在、ライブ配信なんて女子中学生でもやっています。
さらに、会社が大きくなっていることによるリスクも多くなっている。
資本投資して大量の製品を作っても、売れなかったら。
莫大な予算をかけてTVCMをしても売れなかったら。
一等地に店舗を構えて商品を並べ、もしお客さんが来なかったら。
めっちゃハイリスクですよね。
そんなことが、日常茶飯事なのです。とても恐ろしい。
どうなるかを問うのではなく、どうなりたいか?
そして未来は予測できない時代になっている。
たとえば来年から商用利用が始まる、第5世代移動通信5Gの社会になったらどんなビジネスが生まれるのか。
ある程度は予測できるとしても、本当のところどんな社会になるかはわかりません。
5Gになったらどうなるのか? よりも
5Gの社会で、何をしたいのか?
そういうことです。
未来を予測するのではなく、何をしたいのか、どうありたいのかを考えることです。
モノ作りじゃなく「体験」
物は余っています。人々はすでに豊かな暮らしをしている。
物はいらない状態です。
さらに、地球温暖化やプラスチックゴミなどの環境問題がクローズアップされて、人々の意識が大きく変わっています。
そんな時代に、物の良さを伝えるだけでは誰も欲しがらないのです。
もう商品が良いのは当たり前。
そもそも商品が良くなければ、売れるはずもありません。
大切なのはあなたの商品にどういう意味づけをするか。
たとえば子供写真館は七五三の写真を売っているのではなく、子供の成長記録という家族の宝物の価値を高める仕事だということ。
それでたくさんの家族の絆を作り出している。
家族の宝物をつくること。
それがあなたのお仕事と捉えれば、七五三の写真を撮るだけが仕事ではないことがわかります。
写真館に来店していただけではなく、様々な思い出作りのためにイベントを企画したり、出張カメラマンサービスもできるでしょう。
特別な日だけではく、一生大切にしたくなる日常のシーンを撮る提案もアイディアが膨らむはずです。
まさに「モノ」ではなく「体験」を売るということ。
スキルやノウハウは4年で賞味期限切れ
スキルは4年も経てば通用しなくなります。
20世紀の終わりから21世紀にかけてMBA(マーケティング修士の資格)がもてはやされました。
でも今はもう衰退。
どうしてか? 理由はカンタン。
もう昔のマーケティングが効かなくなっているから。
大量生産時代のマーケティングだからです。
各企業は大々的にマーケティング調査をして、消費者のニーズなどを明確にしてから製品を作る。
さらにマーケティングを元にプロモーションして認知させ、購買につなげる。
どの会社もマーケティングという科学を利用して「正解」を求める。
論理的に出た答えです。
だから似たようなな商品やサービスが、似たような会社や店が、世の中にあふれるのです。
経営にとって一番大事なことは「他とは違う」ことですよね。
でもマーケティングをきっちりとすることで、同質化を招くというパラドックスが生じている。
それが現状です。
MBAの考え方でマーケティングを実施することで、1番重要な資産である「個性」を消滅させているのです。
スキルやノウハウは絶対なものではありません。
時代によりどんどん変わっていくものです。
時代に取り残されないように教養を学ぶ
今、役立つスキルはすぐに役立たなくなる可能性があります。
時代の変化は凄まじく早いから。
今求められている能力は、どんな時代、どんな環境になっても、それに「適応できる」能力です。
適応できるというのは、過去を知り、今を読み、未来を構想できること。
そのために多様な視点を持つことが大事。
様々な視座からものを見ることができる「教養」を身につけることだと思うのです。
教養というと、なんだか上品なイメージがあるけど、そんなことはない。
教養というのは「リベラルアーツ」
リベラル=自由
アーツ=技
より自由になるための技なのです。
文化、芸術、歴史、哲学、宗教など、変わらないことを学ぶことです。
より自由な創造力を養い、感性を磨くことです。
産業革命以来続いていた「量」や「物」は終焉を迎えつつあります。
それに気づいて今に合ったビジネスにイノベーションしてほしいと思う。
藤村 正宏
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