ものごとを『情報』に変える視点が大事|啓新高校の学校説明会

世の中3年で激変しました

2016年の夏に出版された本『「つながり」で売る!7つの法則』が文庫化されます。
「つながりの経済」について書いた本です。

まだこの本が出てから3年しか経っていませんが、世の中本当にそうなってきていると実感します。出版された翌年の2017年の流行語大賞が「インスタ映え」だったことなんかもその一つ。
事例に取り上げた会社も、その後どんどんSNSの活用を加速させ、さらに成功をしています。

この本の中に事例で出ている「クリーニングBe」の社長、壁下くん。
甲子園に出場している高校の野球チームのクリーニングを全て請け負い、深夜に洗って翌日の朝に届けるという「甲子園クリーニング」をやっています。

そして他の事例で「エクスマを導入して、偏差値も入学者もアップした高校!」として取り上げた、福井県の啓新高校。理事長さんがボクの塾生です。
啓新高校が初めて春のセンバツ甲子園に出場になることが決まり、甲子園クリーニングを利用します。
塾生さん同士が、こんな風にコラボしてくれると、エクスマ塾をやっていて本当によかったと思うのです。

啓新高校のチラシ

啓新高等学校は偏差値も上がった

『「つながり」で売る!7つの法則』の中で書いている啓新高校の文章を紹介します。
実際に志願者が増えると偏差値も上がりますよね。

もごとを『情報』に変える視点が大事|啓新高校の学校説明会

福井県福井市に『啓新高等学校』という歴史のある学校があります。
ここの理事長であり校長をやっている、荻原昭人さんがボクのエクスマ塾に参加しました。
そして生徒募集の販促や学校案内を変え、大きな成果がでました。

啓新高等学校では学校説明会のイベントで中学三年生を集めることが、翌年の新入生の数に直結していきます。
これは学校運営を考えると、死活問題になるくらい大切なイベントです。

募集イベントは基本的に年間5回行います。(8・10・11・12・1月) 募集のテーマは「受験生を応援!」 イベントの集客にチラシを作成、県内中学生に配布。 イベント終了後に参加者へ葉書か手紙でフォローします。

このイベントチラシがよくできています。
ただの学校説明会に集めるための販促チラシではありません。

「ものごとを『情報』に変える」という視点でつくられている。

中学三年生というのは、自分の進路をどうしたらいいか、迷っている子がほとんどです。
そういう中学三年生の心にグッとくる内容になっているのです。
その時期、どういう悩みや迷いをもっているかを考え、彼らに役立つ情報をたくさん入れるというコンセプトです。

たとえば12月の学校案内のチラシのキャッチコピーは

まだ進学先に迷っている
中学3年生のみなさんへ

荻原校長が笑顔でガッツポーズをして出ている。
そして、啓新高校の理念である
「可能性への挑戦」

それに続き荻原校長の言葉として中学3年生へのメッセージが書かれています。
12月ということで自分の進学先を真剣に考える子が多くなる。
そういう子に向け、

自分の進学先は悩みますよね
なぜ高校に行くのか
何のために行くのか
将来どうしたいのか
それらのことを真剣に考え、自分自身と向き合う
親のため、先生が言うから、それは違います
誰の人生でしょう
今悩むことはいいことです
悩むことから逃げず自分自身と対話してください
必ず答えが出てくる

そういうことが書いてあります。
そしてチラシの下部に大きくこういう情報が載っている。

後悔しないために
進学先を決める3つのポイント

1:将来につながっているか?
高校で勉強する内容が将来自分のやりたいことにつながっているかどうかを十分に調べてみよう!

2:自分の学力に合っているか?
自分の学力に合ったところの方がやる気がでて、成績も伸びる。
背伸びしていないかどうか、冷静になって考えてみよう!

3:はウラ面へ→

ウラ面には3つ目のポイントが詳しく書いてあるんです。

3:実際に体験したか?
自分の目で見て、耳で聞き、肌で感じること

施設設備は整っているか、先輩の様子や先生方の雰囲気はどうか、自分で確かめてみよう!

そして12月に実施する学校説明会の案内につなげていきます。

このチラシは毎回時期によってちがっています。
中三の夏と冬では状況が変わる。
当然、求めている情報もちがいます。

1月の学校説明会のチラシのキャッチコピーは

私立か県立か最後まで
迷っている中学3年生のみなさんへ

この時期は焦っている子や成績があまり伸びない子が多くなります。
だからメッセージも変えている。

誰だってこの時期は不安になり悩むもの
今の自分でいいじゃないですか
今の自分を受け入れよう
あなたの人生はまだまだこれからです
自分の可能性を信じましょう そして、

進学先を最終的に決めるための
役立つ3つのアドバイス

1:夢や目標に近づける場所かどうかをみる
勉強する内容が自分の夢や目標にむかって歩むエネルギーなるかどうかを先生や先輩に聞いてみよう。
学ぶことが夢や目標に近づいていく内容であればあるほど学校が楽しくなるよね。
『やりたいことがやれる』ことはとても大切だと思う。

2:安心して学校生活が送れる場所かどうかをみる
心穏やかに安心して通える学校は最高だよね。
もちろん高校は様々な地域からたくさんの生徒がくるから人間関係で何もないわけはないと思う。
でも、何かあったときに必ず『力になってくれる人がいる』かどうかは大きいと思う。

そして一番大切な3つめのポイントはウラ面へ→

という具合にウラ面に誘導しています。
うまいですよね。
ウラ面の冒頭に一番大切なことが書かれています。

3:自分で実際に確かめてみる
最後はやっぱり自分で確かめることだよね。
噂や評判に惑わされず自分で感じること。
学校の雰囲気(例えば教室は整理整頓されているか)先生や先輩の様子(みんな楽しそうか)
『自分の目と耳と心で感じる』ことは大切だと思う。

そして、1月16日に実施する学校説明会に誘導しているのです。

今、悩んでいる人
併願受験先を決めかねている人
受験に不安を感じている人
待っています。

受験生応援企画 最後の学校説明会
悩みや不安がぶっ飛びます。

そういう感じです。

こういうエクスマ的なチラシに変えてから、学校説明会に参加する中学三年生が格段と増えた。
募集イベント参加者数(延べ人数)です。
年度 総数(生徒数・保護者数)

H25 1576名(1210・366) 秋からチラシ作成にエクスマを導入

H26 1687名(1284・403)

H27 1961名(1466・495)

エクスマを導入後は、募集イベントの集客数が上がっています。

高校進学を考えている中学三年生はどういう悩みや問題をもっていて、どういうことに関心があるのか?
これを徹底的に考えて、この学校説明会にくるとそれが解決する。
そういう流れです。

学校説明会というイベントではなく、悩みや不安などの解消する『問題解決』を提供しているということ

視点が逆なのに気づきましたよね。

「学校説明会に来て!」と言うのは「学校側」の都合です。
でも「受験を控えた中学三年生の不安や悩みを解決するイベントですよ」というのは相手側の視点に立つこと。

だから反応も良くなるし、入学する学生数もうなぎ上り。
偏差値だって高まっていくのです。

 

販促物でも、ブログでも、Twitterの発信でも、「ものごとを『情報』に変える」という視点がとても大事になってきます。
文武両道の啓新高校は甲子園に出場が決まって、さらに有名になり。
たくさんのいい学生さんを集めることでしょう。

野球部の甲子園での活躍、楽しみです。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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