安売りしなくても売れる!10のやり方 

安売りしてはいけない

安売りはしてはいけません。
厳しい価格競争に参戦して、利益も薄く、疲弊していく。

そうならないために、安くしようという考え方は、今すぐ捨てるべきです。
価値をしっかりと伝えていたら、安売りしなくたって適正価格で買ってもらえるのです。
そのためには、適正価格で買っていただく、その理由が必要です。
それが、値段以外の「判断基準」ってことです。
それをちゃんと伝えてますか?

今回は価値を高めるヒントになる、代表的な方法を10点紹介します。
価値を高めるために、次の10のキーワードで考えてみましょう。
このキーワードであなたの商品や売り方、販促物などを見直しみてください。
きっと今以上に売れるようになります。

1:ターゲット
2:専門性
3:外見
4:場所
5:時間
6:意味変換
7:情報
8:BtoB
9:単純化
10:ミッション

1:ターゲット

ターゲットをせまく設定すると、ほかの人には響かないけど、そのターゲットの人は高く買ってくれることがあります。
絞られたターゲットに、ピンポイントの情報を届けることが最大の効果を発揮するのです。
「あなたのお客は誰なのか?」「お客さまの顔が見えているか?」「誰をターゲットとして商売をするべきなのか?」
これが明確になっていないと、これからの商売は苦しくなっていきます。
「お客を選ばない店は、お客さまからも選ばれない」そういうことです。

2:専門性

ある分野で、徹底的に専門化すると、高くても売れるようになります。
専門性というのは、お客さまにとって選ぶ理由になるのです。
綜合的なことより、一家言あるような専門性を複数打ち出すことです。
「専門性」というキーワードで、あなたの商品や店、会社を考えてみましょう。

 

会議活性化弁当 とってもよく売れました

会議活性化弁当
とってもよく売れました

仕出し弁当の会社が開発した、会議専門弁当「会議活性化弁当」は、2000円ですが、役員会議や営業会議、研修会などでたくさん売れています。
そのほかにも、湯浅醤油という会社が作っている「カレー専用しょうゆ」や、岡崎市の太田商店が作っている「卵かけごはん専用卵」など。

3:外見

パッケージや包装を変えてみる
商品の価値を高めて提供するために、パッケージや包装、ラッピングなどを高級なイメージにしたり、特別な思いをこめたりする方法です。

商品のサイズを変えてみる
常識的なサイズより小さくしたり、大きくしたり、サイズをちょっと考えてみる。

ネーミングや肩書を見直してみる
商品やサービスのネーミングを変えてみるという方法は、価値を高めるための方法のひとつです。
「ネーミング」というのは、マーケティング的に言うと、とっても重要な要素です

4:場所

売っている環境というのは商品の価値を変えるんです。
同じ商品でも、販売している環境で価格が変わること、たくさん目にします。
たとえばコーヒー。
チェーン店のカフェだと200円、コンビニのコーヒーだったら100円。
でも、高級ホテルのラウンジのコーヒーは1500円。
売っている環境のちがいです。

5:時間

お客さまは「モノ」ではなく、「時間」を買っている場合がある。
それは、お客さまに時間をかけさせないということです。
簡単にできる、速くできる、面倒ではない。
「エネルギーを使わせない」というコンセプト。
そういうコンセプトで、サービスなどを考えてみると、価値が高まることがある。
たとえばデリバリーサービス。
配達してあげるってこと。
これはお客さまに「時間」をかけさせないという、サービスです。

6:意味変換

商品の意味を変えてしまう

使えなくなった古い鍵が 5000円以上で売れている

使えなくなった古い鍵が
5000円以上で売れている

使えなくなった古い鍵を5000円で売っている店があります。
使えない鍵ですから鍵としての機能はない。
こういうPOPがついています。

『ヴィンテージ・キー』古い鍵、この鍵で世界のどこかの扉が開くかもしれません。
携帯ストラップ、キーホルダーなどさまざまな使用方法をお楽しみください

POPで商品の意味を変える

POPで商品の意味を変える

商品に新しい意味合いをもたせてみましょう。

使い方を変えてしまう
シュレッダー鋏という商品があります。
刃が9枚とか5枚ついていて、ガシャッ、ガシャッと書類を切るとシュレッダーと同じように切れるハサミ。
このハサミ、売れています。
でも、もともとシュレッダー用として開発されたわけではなかった。
「刻み海苔」をつくる、家庭用刻み海苔作成ハサミだった。

7:情報

商品だけではなく、ノウハウを付加して売るという考え方です。

たとえば、ある写真館のホームページでは「きれいに写る方法」というコラムが人気です。
写真館の方がプロとして、女性向けに、きれいに写真に写る方法を教えています。
ある電気工事会社は、観光ホテル向けに、電気代を節約する情報を提供して、繁盛しています。

手芸屋さんで手芸教室をやっているところがあります。
結果、生徒さんはその手芸屋さんで買ってくれる。
美容サロンで、若いお母さま向けに、おしゃれに子どもの髪を切る方法を教えてくれる。
お母さんたちはそのサロンに来てくれます。
収納のノウハウを教えてくれる、家具屋さん。
よりよく眠れるノウハウを提供してくれる、寝具屋さん。
子どもが虫歯にならない方法の小冊子をくれる、歯医者さん。
燃費をよくする走り方を伝授してくれる自動車整備工場などなど・・・。

商品を売るのはなく情報提供

商品を売るのはなく情報提供

商品やサービスを直接売るのではなく情報を提供して共感してもらう、という考え方です。
お客さまに教えることができないか?
それを考えてみましょう。

8:BtoB

B to Cの商品をB to Bで考えると、価格を高くできる場合があります。
B to Bの仕事で最も重要なのは、「お客さんの利益」です。
会社はどうしてお金を使うかというと、直接的にも間接的にもそれが利益につながるからです。
だから、B to Bの営業というのは、お客さんの利益に着目しなければなかなかうまくいかない。
そして、利益を出すためには、方法はたったふたつしかありません。
利益を出すには、コストの削減か売上を上げるか、どっちかです。
B to Bというのは、このどっちかに着目しなければいけない。
使ったお金以上の利益が出るとわかったら、会社はお金を使ってくれるのです。

ボイストレーナーが、一般の人を相手に「カラオケ教室」をやっていました。
その時には、ひとり6か月で25000円の月謝だった。
それをB to Bで考えてみた。
「カラオケ教室」ではなく、「経営者のプレゼンテーションコーチ」にした。
同じ6か月で65万円で、たくさん売れました。
企業は、投資以上のメリットが期待できるものには、お金を払うのです。

9:単純化

売上をあげたかったら、商品を買ってもらったら、集客したかったら、ちゃんと価値を伝えましょう。
たとえば漢方の相談のお客さまを増やしたかったら、店頭の目立つところに、黒板を置いて、そこに書いてみる。

○○、○○、こんなことに悩んでいる方、ぜひ当店に相談してください。
最初の相談は敷居が高いかもしれませんが、大丈夫です。
外の黒板見たのですけど、とお気軽に声をかけてください

そうシンプルに書いてみることです。
意外と単純なことで、売上があがります。

商品についているPOPも同じですよね。
その商品がどういう商品かを、わかりやすく伝えてみる。

「二日酔いに効果のあるサプリです」
「人間関係の達人になれる本です」

10:ミッション

これは企業にとってとても大切なことです。
公共性のない企業は、存在する意味がないからです。
ビジネスを営んでいくためには、金儲けさえすればいい、利益をあげさえすればいい。
そういう考え方の会社は、存在意味がありません。

ビジネスというのは、「しあわせ」を社会に生み出すことなのですから。
人々をしあわせにしたり、社会をよくしたり。
しあわせを生み出さない商品や会社は、これからの時代、消滅していくでしょう。
だから、公共性のあるミッションが必要なのです。

あなたのミッションはなんですか?

子どもたちの未来をもっともっと輝ける素晴らしいものにしたい! (歯科医)
日本の職人技の伝承と啓蒙 (鞄メーカー)
経済を通して、しあわせな社会を創出する(マーケティング会社)

こういうミッションがあるか?ということです。
言葉にして、それをどんどん伝えていくということ。
そうすると、お客さまとの間に「共感」がうまれて、支持される会社や店になるということです。

以上のようなことを考えて、価値を高めていきましょう。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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